【4019】守秘義務違反の医師にかかることの疑問

Q: 私は20代男性です。
医師の守秘義務が全く守られていないのではないのかと思われる件につきまして、ご相談させていただきたくメール差し上げました。ご多忙の中まことに申し訳ございませんが、ご指南くださればと存じます。  私の彼女のAは、5年ほど同じ医院に通っていますが、当初は難治性欝と言ったり、双極性障害と診断したりコロコロと診断と処方が変わっております。当初彼女は私のことを本気で「尊敬」していたようです(意味不明ですが)。 しかし当初から、彼女の行動等に不審な点がありました。私は彼女の家庭環境を良く知っており、母親との確執がひどく高校では通学拒否をしていました。今も家庭内別居をしております。本人は自分が人間でいてごめんなさいとか、希死観念が強いとか言ったりします。憎らしい親の遺伝子を残さないために結婚しないとかとも言います。また、職場となじめず何度も退職を繰り返しています。  最近はあまりにも躁の症状がひどく、前職場で副煙流の被害にあったらしく前職場を訴えようとしたり、世界からタバコをなくすとかと騒ぎ出したりしてます。 このままでは社会的信用をなくすと思い、細かく行動を示し、「どのようにつきあえばいいか?」とたずねる手紙を主治医に送りました(当然返信は期待してません)。しかし他言無用と文中書いたのに、医師は患者本人に手紙があったことを無断で漏らしたようです。通院先を知っているのは私だけですので、知られた直後から私への激しい攻撃が始まりました。 「私のプライバシーをどうしてくれるの?」だの「訴える!」だの。といった類です。ほかにもどう見ても被害妄想だろうと思われるメールをよこしてきました。 これはもしかしたら、境界性人格障害と躁が同時に出ているのではないか?と疑って、彼女の母親に連絡を入れました。そして直接会って、医師ではないと前置きしてBPDの疑いがあることを伝え、家庭内での彼女に対する態度を改めるよう依頼しました。両親とも精神疾患への理解があったようで、すんなりと受け入れてもらえました。  しかし、上記手紙を漏洩するような医師のところで受診を続けるのは正解なのかどうか怪しくなってきました。知人のMDや外科医に聞いたところ、このようなケースでは「主治医の倫理観・資質が疑われるのでセカンドオピニオンを両親だけでも取りにいくこと!」という意見が殆どでした。そもそも、このような医師の行動は許されることなのでしょうか? もちろん、もう私がここまで関与する必要もないのは分かっておりますが。

 

林: 医師の守秘義務は患者の秘密についてのものですので、この医師の患者ではない質問者にかかわる事項については医師に守秘義務はありません。
但し、「他言無用」と書かれた手紙の内容を他言することは、信義としてはどうかと思いますが、それは別の話です。

知人のMDや外科医に聞いたところ、このようなケースでは「主治医の倫理観・資質が疑われるのでセカンドオピニオンを両親だけでも取りにいくこと!」という意見が殆どでした。

質問者がこれらの人々に「聞いた」、その具体的な聞き方、そして聞かれた人の答え方が不明ですので、「という意見が殆どでした」という質問者の記載をそのまま受け取ることは困難です。(たとえば、質問者が憤懣を訴える形でこのことを人に話せば、多くの人は質問者の意見に同意するでしょう。少なくとも消極的には同意するでしょう。人の非公式な意見というのはそういうものです)

もちろん、もう私がここまで関与する必要もないのは分かっておりますが。

その通りです。余計なお世話です。そして余計なお世話を自らしている以上、結果について不平を述べるのは間違っています。余計なお世話をやめるか、自ら招いた結果を受け容れるかのどちらかでしょう。

(2020.4.5.)

05. 4月 2020 by Hayashi
カテゴリー: パーソナリティ障害, 境界性人格障害, 精神科Q&A