【4987】病識が持てるかどうかは知能と関係があるのか
Q: 10代女性です。
最近ネット上で「論理的な人は統合失調症になっても幻覚を幻覚だと認識できる」という言説をよく見かけるようになりました。
例えば幻覚が見えたとしても「ここにこれがあるのはおかしいから幻覚だな」という感じで気づけるそうです。
こういった幻覚に気付けたエピソードがたくさん共有されるようになってから、病識を持てる人=賢くて論理的、病識がない人=頭が悪い のような受け取り方をしている人も多くいて、疑問を感じています。
そもそもネットの話を信じるべきではないというのが大前提ですが、この件に関して専門家の方のご意見を聞いてみたいと思いご質問させていただきました。
興味本位の質問で恐縮ですが、ご回答いただけると幸いです。
林:
最近ネット上で「論理的な人は統合失調症になっても幻覚を幻覚だと認識できる」という言説をよく見かけるようになりました。
全くのでたらめです。
論理的な人であっても、また、知能が高く、十分に判断力がある人でも、異常性に認識できないのが、統合失調症の幻覚や妄想の特徴です。
このことに限らず、ネットの情報を信用してはいけません。
なお、上記の通り、論理的な人であっても、また、知能が高く、十分に判断力がある人でも、異常性に認識できないのが、統合失調症の幻覚や妄想の特徴ですが、病期(「病気」ではなく「病期」)によっては、ある程度までは認識できることがあります。
また、統合失調症以外の病気によっては、幻覚を幻覚と認識できる場合があります。これはその人が論理的な人かどうかということとは関係なく、病気の性質が異なるということです。
興味本位の質問で恐縮ですが、ご回答いただけると幸いです。
興味本位の質問は大歓迎です。興味本位は無関心に優ります。ほかにも興味本位のご質問がありましたらどんどんメールしてください。
(2025.10.5.)



