【4948】統合失調症再発体験のご報告と村上春樹について(【3416】のその後)
Q: 【3416】すべての神秘的体験は精神病ですか で回答いただいた40代男性です。
突然ですが、去年の一月ごろ病気が再燃して2ヶ月ちょっと入院しました(初めての入院です)
その後一月もしないうちに再発して3ヶ月弱強制入院しました。
今回の妄想は宗教妄想と世界没落体験と混ざったものだと思います
ウクライナ戦争を止められるのは自分しかいない。
世界の宇宙の中心は自分であり、自分は神に選ばれた存在だと思い込みました
幻聴ではなく(たぶん)幻視が中心でした
近所の教会に入ってキリストの磔の像の前で泣き叫んで牧師を困らせたり、スパイ映画の主人公のように尾行する車をまいたり、テレビから公安警察の指令が来たり、タブレットの中に神が出現したり、眼鏡にカメラが仕込まれたからグチャグチャに壊してみたり、女房が中国軍のスパイだと思って尋問した、保護室の壁に地図が現れて指先でピンポイント爆撃が出来ると思ったり、保護室の天井から毒ガスが噴射されるとパニックになって裸になって体をオシッコで濡らしたパンツで拭いたり、、、、、
毎日欠かさず薬を飲んで順調な生活を送ってたので突然の再発にショックでした
診断は統合失調症から統合失調感情障害に確定しました
退院から一年たって落ち着いた感じがします
ところで、入院中、図書室で村上春樹のノルウェイの森を手に取り読みました
とても面白かったので家族に村上春樹の小説をもっと取り寄せてもらい読みました
林先生はコラム「林の奥」で度々村上春樹に言及していましたが、まさかとは思いますが、村上春樹氏も統合失調症ですか?
健常者が統合失調症の患者を真似て文章を書いても、それは整った支離滅裂だと
ならば統合失調症の患者が健常者の真似をして文章を書いたら、それは村上春樹の小説になるのではないかと。
教祖と狂人と同じように、狂人と芸術家
その境界線の曖昧さが村上ワールドの本質であり魅力ではないかと思うのですがどうでしょうか
林: その後の経過のご報告をいただきありがとうございました。重篤な症状の再発で、相当に苦しまれたこととお察し申し上げます。入院治療で回復されたご様子、何よりと思います。
まさかとは思いますが、村上春樹氏も統合失調症ですか?
違うと思います。
健常者が統合失調症の患者を真似て文章を書いても、それは整った支離滅裂だと
ならば統合失調症の患者が健常者の真似をして文章を書いたら、それは村上春樹の小説になるのではないかと。
それは論理として成立していないと思います。
教祖と狂人と同じように、狂人と芸術家
その境界線の曖昧さが村上ワールドの本質であり魅力ではないかと思うのですがどうでしょうか
本質であるかどうかはともかく、魅力の一端であるとまでは言えるかもしれません。しかしだからといってその著者が統合失調症であるということにはなりません。
(2025.4.5.)