【4782】擬態うつ病であると断じてほしい

Q: 私は30代男性です。
数年前、私は擬態うつ病だったと思います。
当時は大学院生でした。大学での学業、コミュニケーション、研究の全てについていけず、日々自己嫌悪に陥る一方で、現状を変える努力をしない状況を、寝付けないためアルコールを飲みすぎてしまうという理由で誤魔化していました。次第にインターネットで得た知識から、市販薬をオーバードーズするようになりました。オーバードーズしているという後ろめたさもあり、自己嫌悪が深まり、自己嫌悪から他人が私を軽蔑していると思い込みました。
この点は、私の性格が悪く、明らかに他人に嫌われていたことからも事実と考えられますが、事実以上に酷く嫌われ軽蔑されていると思い込もうとしていました。
結果、大学に全く通えなくなり、人と話すこともできなくなり、死にたいと思うようになりました。その一方で薬局には足繁く通い、酒とオーバードーズに逃げ、一時的に思考を放棄してゲームや漫画に逃げて遊んでいました。今思い出しても、苦労をせずにただ楽なことだけをしようとしていたと確信できます。
その後、他人の助けもあり精神科を受診しうつ病と診断されたのですが、私はそのときうつ病と診断されようとしていました。私は、自分がただの怠惰で普通の人より劣っているずる賢いだけの人物で、擬態うつ病であったと思われます。実際に治療も一年もかからずに終わったため、医療の助けの必要な状態ではなかったと考えています。
このご相談の目的も、自己を変える努力をしないために、自殺して仕事や人間関係から逃げいという現在の気持ちに対して、その気落ちは思い込みで擬態うつ病であると断じてもらい、なんとか気分を晴らす方向へ向かいたいためです。

私は擬態うつ病と考えてよいでしょうか?

 

林: 真のうつ病、擬態うつ病、どちらも考えられます。
このメールに書かれている内容が、第三者から客観的に観察され、かつ、その観察内容が解釈を含め正確であると判断できる根拠があれば、擬態うつ病に一致していると言えます。
しかし本人がこのメールに書かれている内容を述べた場合には、それが正確な描写である可能性もある一方で、逆に真のうつ病だからこそ、このように自己評価されている可能性もあります。
したがって、真のうつ病か、擬態うつ病か、どちらも考えられます。

(2024.2.5.)

05. 2月 2024 by Hayashi
カテゴリー: うつ病, 擬態うつ病, 精神科Q&A