【4766】私のうつ病が長期化しているのは診断が間違っているからではないのか

Q: 46歳男性。20代の頃、焦燥感と疲労感がひどく心療内科を受診。
うつ病と診断される。それから、幾度かクリニックを変えつつ投薬を続けている。
投薬量や薬の種類は変化してきたが、今までずっと服薬し続けている。
現在の症状は、酸素が薄いような息苦しさ、人としゃべることができない(対人恐怖的なもの)、軽い憂鬱感。服薬内容はルボックス、デパス、ルネスタ、ジェイゾロフト。

先生にお伺いしたのは、こんなに長期間ダラダラと服薬を続け、寛解しない(かと言って動けなくなるような重い症状になることもない)ということがあるのだろうか。
うつ病の診断は間違いなのではないか。
症状はただの性格で、病気ではないのだろうかとも思う。
ただし今現在も、服薬するとそれらの症状はかなり緩和される。
すなわち、薬が効くということは、やはり病気なのだろうか。
仮に病気でない人が抗うつ剤を飲んだら、反応があるのだろうか。
このまま漫然と投薬を続けていいのだろうか不安である。

 

林: うつ病と診断され長期間にわたり何種類もの抗うつ薬の治療を受け続けているのによくならない場合、うつ病というのは誤診だったのではないかと疑いが発生するのは理解できることですし、その疑いは当然です。
もう一つの可能性として、処方が適切でないということが考えられます。「うつ病と診断され長期間にわたり何種類もの抗うつ薬の治療を受け続けているのによくならない」というケースに非常によくあるのは、それぞれの抗うつ薬の量または投与期間、またその両方が、どの抗うつ薬についても不十分だったという場合です。
この点、この【4766】では、抗うつ薬については名前の記載のみで、量も投与期間も不明ですので、回答不能です。まずそれぞれの量と投与期間が十分であったかどうかをご確認ください。
量も投与期間も不十分であった場合、質問者ご指摘の、うつ病という診断が誤診であった可能性を考えることになりますが、これについても、【4766】に記されている症状は、単に症状名だけで具体性に乏しいため、判断できません。
うつ病という診断が確実で、十分な量の抗うつ薬を十分に服用したにもかかわらずよくならないとき、難治性うつ病ということになります(正確には「薬物抵抗性」というべきでしょう。うつ病の治療は薬物だけではないからです)。

(2023.12.5.)

05. 12月 2023 by Hayashi
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