【4629】コンサータによる幻聴のフラッシュバック
Q: 20代女性です。私は発達障害と21歳くらいに診断を受け、その後コンサータを飲んでいました。一人暮らし中に幻聴の副作用(絶えず幻聴が聞こえ、妄想状態)が起きたため、幻聴が起きてると気付いてからは自分から中止し(1年半前)、地元に帰ってきました。
その後、リスペリドンと療養で幻聴、妄想ともにほぼほぼ治ったのですが、やめ時が分かりません。
先生としてはなくしてもいいという考えというか、実際に2日に一回に減らしたのですが、幻聴が再発というかフラッシュバック的なものが一言、二言ありました。そしてまた2ミリに増やしました。やはり減らすと不安というか、いつまでも1日に1ミリないし、2ミリは飲まないと、あの幻聴や妄想というか統合失調症状態は体験したくありません。いつまでも飲んでても大丈夫ですか? また、ひどい状態のような統合失調症みたいな感じの、フラッシュバックが再燃することはありますか?
林:
コンサータを飲んでいました。一人暮らし中に幻聴の副作用(絶えず幻聴が聞こえ、妄想状態)が起きたため、幻聴が起きてると気付いてからは自分から中止し(1年半前)、地元に帰ってきました。
この記載から言えることは、質問者に幻聴があったらしいことと妄想があったらしいということです。
「らしい」というのは、メールの記載が「幻聴」「妄想状態」のみで、具体的な内容が記されていませんので、それらが幻聴であったか、妄想であったかがわからないからです。
また、それらが幻聴であったにせよ、妄想であったにせよ、それらがコンサータの副作用であるかどうかはわかりません。言えるのは「コンサータを服用している時期に、幻聴らしいものと妄想らしいものがあった」ということのみであり、これだけの事実からはそれらがコンサータの副作用であったと確定することはできません。
その後、リスペリドンと療養で幻聴、妄想ともにほぼほぼ治った
この記載から言えることは、コンサータ服用を中止し、療養してリスペリドンを服用している期間に、幻聴らしいものと妄想らしいものがほぼなくなったと質問者は認識しているということです。
ここで、「ほぼなくなった」ということは事実だとすると、その理由は、コンサータを中止したこと/療養したこと/リスペリドンの服用/いずれでもない が考えられ、また、これらの複合も考えられます。
幻聴が再発というかフラッシュバック的なものが一言、二言ありました
この記載から言えることは、この時期に、幻聴かもしれない体験がわずかにあったということです。これを再発と呼ぶことは可能です。しかしフラッシュバックとは呼びません。
あの幻聴や妄想というか統合失調症状態は体験したくありません。いつまでも飲んでても大丈夫ですか?
薬を飲み続けたときのことを考えるとき、飲み続けることが大丈夫かどうかということが気になる点の一つにはなりますが、それは一つであるにすぎず、逆に飲み続けなかったらどうなるのかという点を考え、その二つのバランスによって考える必要があります。この意味では、このメールに書かれている情報だけから判断すれば、飲み続けた方がいいということになるでしょう。
また、ひどい状態のような統合失調症みたいな感じの、フラッシュバックが再燃することはありますか?
フラッシュバックという言葉の使い方は誤りですが、それはともかくとして、質問者が体験した幻聴らしいものと妄想らしいものの原因は上記の通り不明ですので、再燃するかどうかはわかりません。しかし経過からみて、リスペリドンを中止すれば再燃する可能性はあると推定するのが妥当だと思います。
(2023.2.5.)