【4587】中学時代から急に無気力になりました。母は統合失調症です。

Q: 10代男性です。母は統合失調症なのですが、2年ほど前に一度症状が収まったのをきっかけに自己判断で薬を飲むことをやめ、病院にも行かなくなりました(もともと少ない通院頻度であったのと、父や私、兄は通勤通学で家にいなかったのでしばらく気づきませんでした)。症状としては、幻聴や「何かを照射されているという確信に近い感覚」と「自分はとある宗教団体(名称は伏せます)に常に監視されており、街の人々にその仲間が混じっている」という思い込みでした。その他に幻覚などもあったと思いますが、これについては低頻度かつ確認のしようがないのでなんとも言えません。これらの症状がすべて収まった(「潜在化した」と言った方が良いのでしょうか)ので、薬を継続して飲むこと以外はあまり強く勧めていなかったのですが、先日、母の症状が再び顕在化しました。予兆などはなく、いきなり警察に電話をかけ「電磁波や変な周波数を照射されている(用語的には用法が正しくありませんが、母はこのように表現します)」と訴えかけた後、家を飛び出して行きました。私と兄は下にいたので、母が家を出たことは認知できましたが、その経緯までは認知できませんでした。そして母が帰宅し「なんか電磁波照射されてたから警察に連絡してきた」と言ったことで初めて経緯を知りました。家を出た理由は、外を歩く男女が電磁波に気づいている感覚がして、電磁波の存在を確認しにいくためだったそうです。再び家を出たので急いで様子を見に行くと、家の前で通行人の写真を撮り続けていました。母を家に連れ戻し、通報を取り消させて事なきを得ましたが、その際に「自分は統合失調症だと思い込まされていた」「これが彼奴らのやり方なのか」「家族が分断される」などと言っていたので、再び本人に統合失調症であることを自覚させるのは難しくなってしまいました。兄は母のことについては私や父に押し付けたいといった様子で「はやく病院に入れてくれ」などと他力本願です。父は母の意思や自由を尊重したい、子供の大事な時期(兄は大学受験が控えています)に問題を起こしたくないという理由で母を注意するだけに留まりました。私は今回の一件を重大なものとして看做しています。少なくとも放っておくべきではないと思います。
ただ、これについての解決策は病院に通院あるいは入院させるということ以外にはないと思っているので御相談させていただきたいことではありません。

本題は私の話です。私は母の症状とは関係なく、中学卒業から急に無気力になり、以降ずっと倦怠感や焦燥感がつきまとっています。そのせいか、仮病を使って学校を欠席したり、「今日はこれをやる」と決めたことを先送りにし続けたりし、それをする度に自己嫌悪に苛まれています。自殺も図りました。これに伴って自分が怠惰であることへの言い訳を探す癖がついたのですが、今回の母の一件すらもその言い訳にして、頑張らない理由にしている気がします。この相談フォームに書いている理由もおそらく「自分は病気である」という回答が返ってきたらそれを言い訳にしようという魂胆でしょう。母の症状について本題ではないにも関わらず冗長に書き連ねているのがその根拠だと言えます。最近は焦燥感も薄れてきました。私は精神病(あまりこういった言葉は良くないのですが)でしょうか。あるいはスチューデント・アパシーの類でしょうか。また、精神病であれば正しい対処はどういったものでしょうか。大量の質問と長文失礼致しました。回答宜しくお願い致します。

 

林: 質問者自身が統合失調症の前駆期にある可能性が否定できません。
無気力になっていること、自殺企図があること、それだけで統合失調症の疑いありとは言えないのはもちろんです。お母様の状態からのストレスが原因という解釈もありうるでしょう。
しかし、

中学卒業から急に無気力になり、以降ずっと倦怠感や焦燥感がつきまとっています。

この経過は統合失調症が発症しかかっている場合に十分にありうるものです。そして統合失調症は、いわゆる遺伝病には分類されませんが、遺伝の要因は十分にある病気ですので、お母様が統合失調症であることと、質問者のこの経過をあわせると、統合失調症の可能性が否定できないということになります。精神科を受診することをお勧めします。

(2022.12.5.)

05. 12月 2022 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: , , |