【4502】頭の中の友達、夢と現実の境目 (【3037】のその後)
Q: 20代女性 社会人です。
昔、【3037】 頭の中に友達がいます で質問をしました。
答えていただき、当時とても嬉しかったです。
その後、忘れていた高校のエピソードを思い出しました。
大学一年生のころ、私はレイプをされ、自信と我を失い高校のときからお付き合いしていた大好きな彼氏に、もう嫌いになった一方的に手紙を残し別れ連絡先も消していたようです。
数年後、その彼からお誕生日おめでとう
といった連絡が来て、それが誰か分からず
どなたでしょうか?と尋ねるほど、その人そのものを忘れていたようです。
その後二人で遊びに行く機会があり、その人のふとした仕草にハッとし、忘れていた記憶が戻りました。
【3037】の回答で記憶を蘇らせることに慎重にならなければとおっしゃっていただけてましたが、個人的には思い出せて良かったと思います。
レイプをされたきっかけでお別れしなければならなかったという辛い事実を思い出して今も泣くことはありますが、それでも彼自身を忘れたままではなくて良かったと思うのです。
高校時代を思い出せたのはよかったのですが、問題は今です。
忘れてしまう、という症状はまだ続いているのです。
心療内科にも通っていて、解離性障害という診断もおりています。
思いつく限りの症状はこのような感じです。
・仕事に行く途中気づいたら泣いている。
・仕事までの道が異様に長く見える。
・ゆらゆらと揺れているような気がする。
・ふわりと浮く感じがある。自分を後ろ、遠くから見ている感覚がある。
・意識が空に浮かんでしまう。
・視界の端に猫のような黒い影が走ることがある
・自分の中のおまじない(これはずっとなぜかやっていた行動でした。高校生のときの彼氏が私が泣いた時にやってくれていたことを思い出しました。)「大丈夫、大丈夫。○○(私の名前)は大丈夫だよ」と唱えながら頭を撫でる、これをやると自分に戻れる気がする。
・おそらく電話で口論をしたことを忘れた(ラインの履歴がありましたが何を話したか全く覚えてません)
・仕事に行く途中から記憶がなく気づいたら夜ということがたまにある
・喧嘩をし泣きながら夜道をさまよい気絶して救急車に運ばれたことが4回ある(気絶自体はもっとあるようです。駅のホームが多いです。人に話しかけられたりして、5分くらいでケロリと起きるようです。)
・昨日こう言ってたよね、こんな話をしたね、たくさん泣いてたけど大丈夫?など言われ、なんの事か覚えておらず無理やり話を合わせる(これは良くあります)
そしてなにより自分が1番悩んでることです。
夢と現実の境目が分からなくなります。
私は毎日夢を見ます。
夢の中の空気が透明、薄いピンク、濃い赤の場合があり、濃い赤の夢は悪い夢なので、夢の中で早く覚めろと祈ります。
夢の中では水の中を泳ぐような感覚で空を飛べます。空を飛べるのでその時は夢と現実の区別が夢の中で出来ます。
ただ、地面に足が着いている夢も見ます。
地面に足が着いている+場面が高校だと、それは自分の記憶そのものを見ているようです。(これは最近気づきました)
「仕事に行き、帰って家に着き、寝る」という一日をすごしたつもりだったが全てそれは夢でもう一度現実の一日を過ごすことがあり、2日分疲れた気がしました。
空を飛んでいると確実に夢だと分かります。
ですが地面に立っている夢も見ます。その夢と、現実の区別がつかない時があるのです。
歩いているとこれは夢なのではないだろうかと思うことがいつもあります。
もしかしたらいつも夢心地なので、記憶もなくなるのでしょうか。
いまお世話になっている心療内科でカウンセリングを勧められました。
解離性障害に対応出来る薬物治療はほぼなく、カウンセリング療法がいいようです。
ですがカウンセリングは料金も高く、話すだけで治るものなのかという疑問もあります。1度は受けてみるつもりではあります。
夢と現実の境目がわからないこと、そしておそらく泣きながら話した、あるいは聞いた大事な会話を忘れてしまう症状は辛いものがあり、出来れば治したいです。
カウンセリングはいいものなのでしょうか。
話すことでよくなるものでしょうか。
どうすればよくなると思いますか?
お忙しいところ申し訳ありません。
よかったら教えてください。
林: その後の経過をご報告いただきありがとうございました。
いま質問者が苦しんでおられる二つの症状、すなわち、日常生活の中での記憶障害と、夢と現実の境目の曖昧さは、いずれも高校時代のトラウマの後遺症としてとらえられるものです。これは薬では治せません(症状に伴う不安などを薬によってある程度軽くすることまではできますが)。
質問者が「カウンセリング」という言葉でイメージしておられるのは、保険診療とは別の自費で受けるものに限定されているようですが、精神科の外来診療の中で行うものもカウンセリングに含まれますから、必ずしも質問者の認識のように 料金も高く というものではありません。
ただ問題は料金ではなく、治療者が(それは医師の場合も心理士の場合も、また、現代の日本では心理士の資格を持たない人の場合もあります)、トラウマについての治療に十分な関心と技術を持っているかということです。
現実には良い治療者を探すことはなかなか難しいですが、
カウンセリングはいいものなのでしょうか。
話すことでよくなるものでしょうか。
良い治療者から受ければ、よくなることは十分に期待できます。
(2022.5.5.)