【4486】自分はADHDではないかと疑っているのですが、受診する際の注意点を教えてください

Q: 20代女性です。ADHDの傾向があり、精神科を受診しようと思っています。
質問が2つあります。

質問(1) 以下の状況で、精神科を受診することが適切か否かについてです。
私は今まで、社会生活・家での生活の両面において、ADHDの傾向を感じて生きてきました。とはいえ自分の中では、工夫をすれば生きてはいけるし、生活に困難を感じるレベルではないと感じており、受診を考えるには至っていませんでした。
しかし、現在抱えている悩み(長くなりますのでここでは詳細を控えます) は日常生活に大きな支障をきたしており、またそれは、長年感じてきたADHDの傾向と関連があるのではないかと思え、受診を考えるに至りました。
受診の目的は、自分がADHDか否かを知ること、ADHDか否かを問わず、抱えている困難を解決することの2点です。ADHDであってもADHDでなかったとしても、困難を抱えている事実に変わりはありません。その困難をどのように解釈し、どのように対応すれば、幸福な社会生活に繋がるのかを、専門家の見地から一緒に考えてほしいと思っています。

さて、このような目的の場合、精神科を受診することは適切だと言えるでしょうか?自分の特性を知り困難を解決したいということならば、カウンセリングのみの施設に出向く方が目的に即しているのか、それとも、ADHDか否かの診断がほしいのであれば行く先は精神科一択なのか、判断がつかずに予約を迷っています。仮にADHDでなかった場合、受診の目的である 「ADHDか否かを問わず、抱えている困難を解決すること」は、精神科でも叶うものなのでしょうか?
精神科・カウセリング施設以外にも、他に目的に即していそうな場所があればご教授いただきたいです。

質問(2) ADHDの診断にあたり、初診の際に患者側が聞かれることについてです。その場で即興で話すと話が逸れてしまいそうなので、あらかじめ、ある程度文章にして持っていこうと考えています。
ネットで調べると、幼少期のことや学校での様子などがヒットしますが、それぞれをどのようなボリュームでまとめればいいものか悩んでいます。行く施設や先生の方針によって様々だとは思いますが、林先生が初診の患者に聞きたいことを教えていただければと思います。

以上2点です。何卒よろしくお願いいたします。

 

林: ご質問(1)の受診先に関しては、精神科か、カウンセリング施設か、その他のどこかか、ということよりも、その受診先がADHDをある程度熱心に扱っているかどうかの方が重要です。それを調べられてから受診されることをお勧めします。そうしないと、たとえば、ADHDという診断まではしてもらえてもそこで終わりになり、いわゆる「診断のつけ捨て」という事態に陥るおそれがあります。

また、ADHD傾向がある場合にそもそも受診の必要があるかということを考える必要がありますが、この点につきましては具体的にどのようなことでお困りかということによりますので、

現在抱えている悩み(長くなりますのでここでは詳細を控えます)

それが具体的に示されていない以上、受診の必要性については不明です。

ご質問(2)の事前にまとめる内容に関しては、初回の診察のためということでしたら、もし小中学校時代の成績の記録などがありましたら持参されることが望まれますが、それ以外は特にまとめていく必要はありません。そのときに聞かれたことに答えるという姿勢で構いません。ただその後の継続的なことまで考えにいれるのであれば、ご自身で問題と考えておられることを文章にしておくことは有益です。その場合、ボリュームをあまり気にする必要はないでしょう。

(2022.4.5.)

05. 4月 2022 by Hayashi
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