【4467】10年くらい前から徐々に進行した母の嫉妬妄想

Q: 私は40代女性です。74歳になる母は今でも料理上手で近所の方とお茶飲みや週1回のカラオケ、毎日の犬の散歩〔父も一緒〕と元気に過ごしています。その母が、父に対して嫉妬がひどく、悩んでいます。何か突然スイッチが入り、まるで何かに憑りつかれたように顔つきが変わり、父に対して暴言を吐いてます。朝4時頃から始まり、ひどい時には丸一日愚痴愚痴言っています。母の話によると、昔父が浮気をした女に似た人を近所のアパートに住ませ、その人の子供が私の父に似ていることから浮気して子供を作っていると言うのです。また、別の女の人のことでは犬の散歩中に父に目配せしているなどと言っています。両方共、近所に実在している方ですが、特に近所付き合いをしているわけではないです。母の症状について私が父に問いかけたら約10年位前から少しずつ出始めたそうです。また、妹夫婦が同居しているのですがその妹からは、母が盗聴されているなどと言っていたと言うのを何度か聞いていました。しかし、私が実家に訪れた時には、そのような症状が出ていなかったので半信半疑でした。 以下内容です。
〔数年前〕
・夜中に誰かが来て戸を叩いた
・庭に足跡がある
・手すりに跡がついている庭と手すりの件では、父も妹も確認はしたが痕跡はありませんでした。この時点では、父に対して暴言はなく仲良くやっていました。
1,2年前からは、上記で記したように嫉妬妄想が始まり、少しひどくなっている気がします。内容は
・落ちた毛を見ると女を家にあげた・自分が寝てる間にSEXをした
・車の中の落ちた米を見て女に渡したというようなことを言い、何かあると全てそのようなことに結びつけます。
口喧嘩をした時には父が反論をしても聞き耳も持たず、かえって逆上するので母の感情が落ち着くまで2階にいるようにと言っています。また、この時に妹が母に対して泣きながら「お母さんは病気なんだ!」と反論してから、母は反感を持っているみたいです。最近、親戚のおばさんにも「父の浮気で苦しめられている」と愚痴をこぼし、また口では言えないような言葉も吐いており心配していました。先日、私が実家を訪れた時には、窓の外に帽子を被った女性がしゃがんでいたが、見たらいなくなっていて「何て逃げ足の速い女なんだ」と話していたので、私がそれは幻覚なのではないかと言ったら、帽子や洋服の色などはっきり覚えているから幻覚ではないと否定されました。掛かりつけの内科医に(母は高血圧なので薬を服用)相談しましたが、そんな風には全く見えないので驚いていました。この先、母の症状がどうなるか、また家族も振り回され、父が精神的に参っているので心配です。ただ、父には母の症状についてノートに書き留めていくように言っています。しかし、本人には自覚症状がないので病院に連れて行くことも出来ないままきています。まず、今何をしたら良いでしょうか?

 

林: 妄想性障害または統合失調症、または脳器質性精神病です。通常このようなケースは妄想性障害と診断されることの方が多いです。
対応についての回答は【4466】と同じになります。この状態ですと、本人の意思に反して入院でもしていただく以外に方法はなさそうです。それに踏み切るか、問題を先送りにするかのどちらかでしょう。この現実を認識されたうえで、どうするかご決断ください。

(2022.3.5.)

05. 3月 2022 by Hayashi
カテゴリー: 妄想性障害, 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: , |