【4468】夫のアルコールと奇妙な嫉妬
Q: 60歳の主婦です。最近の主人のことでかなり深刻に悩んでいます。私は現在自営でかなり忙しい生活をしています。主人(64歳)はもともと水商売だったのですが、年令と共に居場所も無くなり、普通の生活への転換をすることになり、それまでの生活から180度変わった生活をしなくてはいけなくなりました。今では何とかパートで雇ってもらったところで主任という肩書きをもらって月10万円程のお給料で長く続いていますが、歳なのでいつ首を切られるとも限らず、不安定な状況にいます。テレビを見ることと飲酒が趣味です。友人はほとんどいませんし、休みは飲んでテレビを見て寝ています。サラリーマンの生活になじめず、もともと明日は明日の風が吹くといった考えの人だったので、新しく入った職場も気に入らないと半日で辞めて戻ってくる、また少し長続きする職場は潰れる。無年金で老後どうするのかと聞いても、死ぬだけだと言うだけ。プライドは非常に高く、主人の稼ぎが無いので私が寝る間もなく働いていると、家のことを何もしない生意気な女だと口汚くののしります。外でも平気で怒鳴ります。若い頃はそれでも変化のある生活が好きで我慢も出来たのですが、最近歳のせいか特にひどくなりました。糖尿病も発症して3年になり、アルコールも元々浴びるよう飲んでいたのですが、量は減ってお酒に弱くなりました。酔うと出て行け!が口癖で、この馬鹿女、生意気な女(仕事をしているかららしいです)人を馬鹿にするな、と延々怒鳴り続けます。寝言ももともとかなり言うのですが、寝言でも文句を言い怒鳴ります。夢と現実が一緒になることもしばしば、テレビを見ていると常に文句、現在の職場の文句(馬鹿ばっかりだ、あいつもこいつも馬鹿野郎だ)私が家で仕事をしているのもかなり気にいらないらしく、自分ばかりが偉いと思うなとまた文句。昔の話も毎日延々聞かされます。毎日同じ話を何十年も聞かされていると食事が喉を通らなくなります。話を聞かないとまた怒る、聞くと機関銃のように2時間でも3時間でも休み無く喋ります。
こんな主人が妙なことを言い始めました。実家に出かけたのですが、戻ると男と外で嘘をついて遊んでいたんだろうと怒鳴られました。あまりのことにあきれて怒ることも止め知らん顔をすると「お前の態度を見ているとわかる、この馬鹿女」と罵られました。疲れているので無視すると、それがまた気に入らないらしく、明日荷物をまとめて出ていけと言います。冗談かと思ったのですが、どうも本気で浮気をしていると思っています。何度言っても聞く耳持たず(耳もかなり遠いのです)、お正月でアルコールの量が半端でないくらい飲んでいるのも原因かと思うのですが、本人は至ってまじめに怒っています。いろいろ調べていたら嫉妬妄想という言葉にあたりました。たぶん、性格や現在の状況などがそのようにさせたのではと思うのですが、思い込みも激しく、一方的な性格で、自分の言っていることが絶対の人なのです。綺麗好きで私のことをだらしないと怒ります。髪の毛一本落ちていても怒ります。何しろ、この何年か今まで笑っていたかと思うと急に昔の話を思い出し怒り始めます。ますますひどくなる訳のわからない主人の言動に、アルコール中毒かと思ったり、精神的に悩んでいるところがあるのかしらと思ったり、ただ一人の親友を亡くしてから余計にひどくなっています。こんな症状は何の病気を疑えばいいのでしょう。アルコールも買わないとお前はケチだと怒ります。宜しくお願い致します。
林: アルコール依存症の合併症として嫉妬妄想が出ることは昔からよく知られており、医学の教科書にもよく書かれています。けれども実際はアルコール依存症の人に嫉妬妄想が非常に多いとまでは言えないのですが、この【4468】のケースはアルコールと嫉妬妄想に関連性がありそうです。
たぶん、性格や現在の状況などがそのようにさせたのではと思うのですが、
それも関係はありそうですが、それだけの問題ではないでしょう。
思い込みも激しく、一方的な性格で、自分の言っていることが絶対の人なのです。
それも関係はありそうです。
そうした背景に、長年の大量飲酒が加わり、今の状態が作られたとみるのが妥当だと思います。嫉妬妄想だけでなく、認知機能の低下も発生していると思われます。
(2022.3.5.)