【4465】嫉妬妄想のため母を激しく罵る父
Q: 私は20代女性です。ただの性格上の問題であれば、貴重なお時間を割かせることになるのではと思い迷っておりましたが、もしかしたら何らかの病気の症状ではないかと思いメールをさせて頂きました。 父(60代)の、母(同じく60代)に対する嫉妬妄想が余りにも酷いのです。 父が嫌いな男性と母が少し挨拶を交わしただけで、家に帰るなりありもしない浮気を疑っては「昔から騙していたんだろう」「裏切られた」などと大声で口汚く罵ったりする反面、外ではまったくそんな様子を見せず、その嫌う男性に対しても至って普通に話をしたり冗談を言って笑ったりしています。 娘の私が言うのもなんですが、ひいき目に見ても母は女性として決して魅力的な方ではなく、また不貞の前科も皆無です。専業主婦で父の両親と同居していることもあり、そんなことはできるはずもありません。 母いわく新婚当初からその片鱗は多々あったようで、エピソードはたくさんありますが、例えば仕事から突然帰って来て「さっきまで○○(父の嫌う男性)がここにいただろう」と怒鳴り散らしてみたり、家に遊びに来た父の友人が帰るなり「誘惑するような目つきで見ていた」「一昨日だまってうちに泊めただろう」と言いがかりをつけたりしたそうですが、どれも突拍子もない話ばかりでただ驚くばかりだったそうです。 この妄想は母が若い頃ならば愛情故の独占欲を拗らせてのことかと思いますけれど、60をとうに越えた今でも続いていて、年々酷くなっていると聞きました。 父のおかしな言動や行動、妄想は母に関してのみで、外面はよく誰に対しても親しげで好意的です。 何かの憂さ晴らしを母に当たることでしている訳ではないようです。本気でありもしない妄想を本当のことと思い込んで憤慨して悲しんでいるように見えるのです。 喧嘩の際には、何度も昔の妄想を持ち出しては謂れのない罵倒を受け、母は辟易しています。 暴言や酷い態度はよくありますが、肉体的な暴力などは一切なく、他の家族に対しても多少ワガママな言動や八つ当たりはあれど普通くらいだと思っていますし、私に対してはとても優しい父でもあります。 その他に気にかかる点と言えば、昔から人一倍独り言が多く、また意味のない言葉を突然大声で口にしたりします。（「う～～～～い」「こりゃあ～～～～」など・・・） うまく纏まらなくてすみません。 このような父ですが、何らかの精神疾患である可能性はありますでしょうか？ お目汚し失礼致します。
林:
母いわく新婚当初からその片鱗は多々あったようで、
このように、元々の傾向が高齢になって強調されてくるのは、認知症初期の一つの特徴としてみられるものです。
けれどもそれだけで認知症の可能性が高いとは言えません。
妄想性障害や妄想性パーソナリティ障害も考えられます。統合失調症の可能性は低そうですが、否定はできません。
(2022.3.5.)
