【4452】薬の副作用としての夢遊病は寝る前の気持ちに関係しますか

Q: 20代女性です。
不思議に思っている事があり、知恵袋等で調べても納得しきれないので質問させてださい。

X年頃から精神科に通っており
通ったり、やめたり、転院したりを繰り返していました。
当時サイレース、ハルシオンを処方されました。
服用していた時、朝目を覚ますと記憶にないLINEのメッセージのやりとりがあったり、着信履歴があったり、部屋を掃除していたり、といった現象がありました。ですがメッセージの内容や送り相手も恋人や友人や親だったのと、特別変な内容の話ではありませんでしたが文脈が少しおかしい寝ぼけているような内容だったので、ごめん、寝ぼけてた!と済ませていて実害がなかったので気にせず処方を受け続けていました。

そしてX+6年、また別の病院で久しぶりにハルシオンとサイレースが処方され服用すると、寝ている間にファミリーパックのアイスクリームを全部食べていたり、インスタントラーメンを調理し、火にかけたまま焦がしてしまっていたり(ある程度の時間が経過し、自動で火は消えていました) 寝ている間にワインをひと瓶開けてしまっていました。さすがに怖くなり次の日には病院に行き、処方を変えてもらえたのですが、、質問したいのはX年当時はダイエットをしておらず主に人間関係や家族関係のトラブルや極度の潔癖で悩んでいたのですが、X+6年はそれらにプラスしてダイエットもしており過食嘔吐になってしまっていました。
サイレースとハルシオンを服用してからの今回の夢遊病みたいな症状は、寝る前に「食べたいな~」「お酒飲みたいなー」と頭のどこかで考えていたからこのような行動を起こしてしまったのでしょうか?
この二つの薬の効き方自体は自分に合っていた、と思っており ただ2日に1度くらいは起こる夢遊病のような症状はやっぱり怖いですが、もし家の中に何も食べ物を置かないようにしたら、この症状はなくなるのでしょうか?

 

林:
薬の副作用としての夢遊病は寝る前の気持ちに関係しますか

というご質問ですが、ほとんどいかなる症状であっても、気持ちすなわち心理状態の影響を多かれ少なかれ受けるものです。したがってこのご質問に対する答えもイエスです。

ただし、「影響を受ける」ことと「原因である」ことは大きく異なります。
この【4452】の質問者の症状である一種の夢遊病状態は、ハルシオン、サイレースなどの睡眠薬を服用したときに現れ得るもので、原因は睡眠薬です。そしてその夢遊病状態のときの行動については、心理状態の影響が一定程度見られます。
したがって、

寝る前に「食べたいな~」「お酒飲みたいなー」と頭のどこかで考えていたからこのような行動を起こしてしまったのでしょうか?

このご質問に対する答えは、一部はイエス、一部はノーです。つまり、「このような行動」が、その特定の行動を指すのであればイエスです。しかし夢遊病状態そのものを指すのであればノーです。

もし家の中に何も食べ物を置かないようにしたら、この症状はなくなるのでしょうか?

これも上の答えと同じです。つまり、「この症状」が、その特定の行動を指すのであればイエスです。しかし夢遊病状態そのものを指すのであればノーです。

このメールからは、できればハルシオンとサイレースを飲み続けたいという質問者の願望が見え隠れしています。それについては明確にアドバイスすることができます。ハルシオンとサイレースを飲み続けてはいけません。この【4452】の質問者にはハルシオンとサイレースは合っていません。飲み続けることは危険です。

(2022.2.5.)

05. 2月 2022 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 薬の副作用