【4380】親や自分のことが分からなくなることがある

Q: 25歳、女性です。

中学生くらいの頃から、突然両親や自分が分からなくなることがあります。
言葉にするのは難しいのですが、突然自分が自分であることに違和感を感じて、まるで他人の体に入れられた異星人のような気持ちになったり、毎日顔を見てるはずの両親と話していて急に他人の顔を見た気持ちになったり(名前などは徐々にわかります)、きっかけなくそうい
うことが起こります。
友人に対してはあまり起こりませんが、とても親しい仲でなったことがあるので自分に近い人間に対してなるみたいです。

両親とは昔から仲が良いですし、なぜそんなことが起こるかわかりません。通院歴としては高校の頃、一時期別の理由で心療内科に通っていましたがもう来なくて大丈夫と言われたので行っていません。

普段は理解出来ているので突然分からなくなったときに、変な動きをしていて他人や両親に違和感をもたれてないか心配です。

 

林: これは一種の離人です。離人という症状は、単独で出現することもあれば、解離性障害の一症状や、統合失調症の前駆期の一症状として現れることもあります。この【4380】では、中学生ころから25歳の現在に至る10年ほどの期間にわたり、時々(頻度は記載がないので不明ですが)体験されているということですので、統合失調症の前駆期である可能性は低いでしょう。

通院歴としては高校の頃、一時期別の理由で心療内科に通っていました

これがどのような理由によるものかが、診断に向けての情報としては重要です。「別の理由」というのは、別の症状であることを意味しているにすぎず、離人とその症状に関係がある可能性は十分にありますので、この当時の症状や経過は重要な情報になります。【4381】などもご参照ください。それ(他の症状)についての記載がない以上、「これは一種の離人です」とまでしか言えません。

(2021.9.5.)

05. 9月 2021 by Hayashi
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