【4316】 手が思ったとおりに動かなくなりました
Q: 私は20代の女です。 2年程前からですが、手が思ったとおりに動かなくなりました。 逆に「やってはいけない」と言われたことをしてしまうのです。 手が勝手に動く・・もしくは、指示通りのことは動かないのです。 普通に持てたペンも持てなくなり、人差し指をあげた状態で字を書くので字体も変わってしまいました。 パニックになっているわけではありませんが、 緊張しやすい性格で、とっさの判断が出来ないことが多々あります。 関連しているかは判りませんが、 私は身内に対して非常に強い恨みを抱いています。 身内に対して全く心を開いていません。 それに祖父の遺影を踏み絵にする癖があります。 だからでしょうか。 自分は心と違う行動をし、嫌なこと思わぬことを しでかしてしまうことが現実に起きています。 余談ですが、先日デパートでネズミを踏んでしまい死んでしまいました。 それはいつも踏み絵にしている祖父の姿と重なりました。
私は統合失調症ではないと診断されております。 現実は現実です。 ただ、あまりにも手が思うとおりに動いてくれないのです。 手が勝手に動くこともありました。 どうにかしたいのですが、精神科を受診しても うつ病くらいにしか思われません。 生活に支障が出ております。 私は動けなくなるのでしょうか。 支離滅裂ですみません。
林: あなたは統合失調症だと思います。それは、このメールの中の個々の記載によるというよりも、メール全体からの判断です。すなわちこのメールの文章からは、統合失調症に特有の連合弛緩が読み取れます。これは、精神病のふりをして健常者が創作した作文(たとえば【2418】、あるいは高い確率でそのように推定される文章(【4206】、【3597】、【2220】など)とは全く異なるものです。
また、個々の記載の中にも統合失調症の症状が透けて見えます。質問のタイトルにもなっている、「手が思ったとおりに動かなくなりました」について書かれている具体的な体験内容は、統合失調症の基本障害ともいうべき自我障害の色彩が濃厚です。
そして唐突に
私は統合失調症ではないと診断されております。
と書かれているという展開もいかにも統合失調症らしいとも言えますし、この一文からは質問者が精神科を受診していることは確実です。そして精神科の病気はたくさんある中で、特に理由がなければ統合失調症という診断名を医師が口にする必要はないのに、「統合失調症ではない」と医師が本人に告げているとすれば、その理由は、(1)医師は統合失調症の可能性ありとみているが、今のところは確定診断はできない (2) 医師は統合失調症と確定診断しているが、何らかの理由で本人には真の病名は告げていない ことが考えられます。すなわちいずれにしても、質問者を直接診察した医師は、統合失調症の可能性をかなり考えているということです。
以上のような個々の記載も質問者が統合失調症である可能性を示唆するものですが、それより冒頭に記した通り、メールの文章全体から連合弛緩が読み取れることが、「あなたは統合失調症だと思います」と回答した最も大きな理由です。
私は動けなくなるのでしょうか。
動けなくなることはありえません。精神科での治療を続けてください。
(2021.5.5.)