【4268】隣から子守唄が聞こえるという父
Q: 田舎の父(76歳)についてです。
両親の住んでいるアパートの隣人が夜中までうるさくて毎晩毎晩夜中の2時、3時頃になると決まって子どもを寝かしつけるために子守唄を歌っていたようなのです。父は老齢なので眠りも浅く、そのため余計に眠れなくて、とうとう我慢できずに隣に文句を言ったそうです。それでも相変わらず毎晩夜中に歌が聞こえるともう大きな声で「うるさい!!」と隣に向かって叫んだようです。そんな状態がしばらく続き、隣は3ヶ月ほど前に引越していったようですが、もういないはずの隣から今でも歌が聞こえるというのです。もう誰もいないんだから聞こえるはずないよと母が言うと、そんなはずない、ちゃんと聞こえてるんだから、ととても怒るようです。また今度は、空き家になったほうではない反対側の隣から聞こえると言い出しました。
もう老齢のことゆえ、もしかしたら認知症のはじまりなのでは?と心配しています。私は遠くに住んでいるため、日常の父の行動についてはなかなか把握できていませんが、そのほかには物忘れなどはなく、その歳になってパソコンの勉強を始めるほど歳のわりにはしっかりしているほうだと思います。アルバイトですがホテルの事務処理の仕事もこなしています。 とにかく本人は絶対病気などとは思っていないし、またとても頑固なので誰がなんと言っても絶対病院には行きそうにはありません。ほうっておいて大丈夫でしょうか? よろしくお願い致します。
林:
もう老齢のことゆえ、もしかしたら認知症のはじまりなのでは?と心配しています。
高齢になってから幻覚(幻聴も幻覚の一種です)が現れた場合、その可能性は十分にあります。
物忘れなどはなく、その歳になってパソコンの勉強を始めるほど歳のわりにはしっかりしているほうだと思います。アルバイトですがホテルの事務処理の仕事もこなしています。
このような状態ですと、認知症の可能性は低いと思われるかもしれませんが、初期には幻覚などの症状だけが出ることもありますので、認知症を否定することはできません。
それから、まず、どれが事実でどれが事実でないかの確認が必要だと思います。
両親の住んでいるアパートの隣人が夜中までうるさくて毎晩毎晩夜中の2時、3時頃になると決まって子どもを寝かしつけるために子守唄を歌っていたようなのです。
と書かれており、これは事実であると質問者は考えておられるようですが、子守唄を「毎晩夜中の2時、3時頃になると決まって」歌っていたというのは普通は考えにくいことですので、この時点ですでに幻聴であった可能性も考える必要があるでしょう。
ほうっておいて大丈夫でしょうか?
大丈夫ではないでしょう。受診が必要です。
(2021.3.5.)