【4245】3年前に気分循環症と診断されました。最近、自分の思考が漏れているような気がしてなりません。
Q: 私は18歳女性です。3年前(中学校3年生の頃です)に一度精神科にかかり(その時は児童精神科という括りだと思われます。精神科と児童精神科、心療内科を兼ねていました)、軽度の統合失調症のような症状(カルテに書いてあったのみで、主治医はそれを私に伝えることはありませんでした)と、気分循環症(こちらに関してはしっかり伝えられ、診断書の請求時に書かれた病名でもあります)だと診断されました。
それからしばらく(半年くらい)エビリファイ5mgを1日1錠処方され、ある日なんの説明も無しに突然処方が止まりました。それから数回通院した後、なぜ急に薬が出なくなったのか電話にて聞くと(私からではなく親からです)、治療は終了したからだと伝えられました。
終わったのなら仕方が無いと通院を止め、その後高校に進学しました。
高校では、精神科にかかるきっかけとなった
・気分が些細なことで上がったり下がったりして、それによって判断能力などが全く変わること
・何もなくても気分が落ち込む日があり、そういう日は布団から動けなくなること
が変わらず続き(これは通院中も大して変わったようには思えませんでしたが、それを伝えたかどうかは覚えていません)、出席日数の不足が発生しました。それのカバーをするために診断書が必要だとされ、先の精神科に向かいそれを頂きました(この時はなんとも思っていなかったのですが、思い返せば治療が終わっているのにも関わらず、気分循環症のせいで登校が難しいという診断書がもらえるのはどうなんだ?という疑問があります)。そのあとの継続通院はなく、これが最後の通院となります。
それから2年経つも未だに二つの困ったことが続き、バイトをしようにもこれらのせいで無断欠勤をしクビになるのではないかという恐怖から、一度受かり二日働いた職場を辞めてしまったのを期に、本当に治療が終わっているのか? という疑問が浮かびました。
そしてそれは卒業が近づき社会に出るというステージが近づくにつれて、お先真っ暗だよ!という恐怖に変わり始めています。
そもそもですが、再び(というより高校生活の中で毎シーズンですが)出席日数が足りなくなり、このままでは卒業できるかどうかも怪しいラインに立たされていて、それにも関わらず気分が乗らないと穴埋めのための課題一つできないという有様で、社会に出る出ない以前の問題になっています。
さらに、最近思考がどうも漏れている気がしてなりません。漏れているはずもないのですが、特に人に知られたくないようなことを考えている時に、周囲の人に考えが悟られているのではないかと妙に心配になります。また、希死念慮もいよいよもって本格的に(冬だから、また近年の情勢上かも知れませんが)強まってきており、そういう気分の時は自分の事ながら死ぬんじゃないかと心配でたまらなくなります。
大学に行ったあとの事を考えると、ここでセカンドオピニオンか転院をしておいた方が良いと考えますが、一方で自分が一方的に医師を信頼していないだけなのではないかという疑問もあります。
薬はまともに飲まない(忘れたり起きなかったりしてよく飲み忘れていました) のに薬に頼ろうとする(私はそうは考えていませんでしたが、無意識的にそう考えていた可能性は否定できません)、そんな人間に与えられる診療が本当にあるのでしょうか?薬が好きな性格なんだね、と言われてから処方が止まったため、余計にそういう考えの元処方が止まったとしか思えません。治せるものではないと見限られた可能性、もしくは診ていくうちにこれは性格由来で病気ではないと判断した可能性すら考えます。
しかし何かしらの検査もなし(これは私がわからないだけで何かしら対話にて行われる検査があった可能性もありますが、血液検査やWISCなどの、無知な者にもわかりやすいような検査は行われていません)に話を聞くだけで病名を判断し、その後も困ったことがないか聞いて終わりにするという診察スタイルがどうも信用ならないと考えているのも事実ではあります。
私は転院、ないしセカンドオピニオンを受けるべきなのでしょうか?それとも前の病院に行き、また相談をすることにした方が良いのでしょうか?そもそも、私に通院自体必要なのでしょうか?
長文に乱文で申し訳ございませんが、よろしければ回答頂けると嬉しいです。
林: 通院が必要です。統合失調症の可能性が十分にあると思います。根拠は次の通りです。
最近思考がどうも漏れている気がしてなりません。漏れているはずもないのですが、特に人に知られたくないようなことを考えている時に、周囲の人に考えが悟られているのではないかと妙に心配になります。
まず第一に、これが統合失調症に典型的に見られる症状だということです。
そして統合失調症は、前駆期や初期においては漠然とした症状だけが認められることがしばしばあり、その時期にはうつ病や、あるいはこの【4245】のケースのように気分循環症などと診断されることがあります。このような場合に診察した医師は、本心からうつ病や気分循環症であると診断していることもありますし、本当は統合失調症であるとか、あるいは統合失調症の疑いが強いと考えていて、しかし統合失調症と確定診断できるまでの症状は認められないことから、暫定的にうつ病や気分循環症と診断していることもあります。この【4245】のケースでは、中学生の当時に
軽度の統合失調症のような症状(カルテに書いてあった
ということからみて、後者すなわち気分循環症という診断はあくまで暫定的なもので、統合失調症の疑いありと診断されていたと推定できます。
このような疑い診断が正しいか正しくないかは経過をみないとわからないことですが、この【4245】では、思考伝播という統合失調症に典型的な症状が後の経過の中で現れていますから、中学生当時の「統合失調症の疑い」は正しかったということになるでしょう。
また、高校時代から続いている、
・気分が些細なことで上がったり下がったりして、それによって判断能力などが全く変わること
・何もなくても気分が落ち込む日があり、そういう日は布団から動けなくなること
これらも、これまでの経過や思考伝播と総合すれば、統合失調症の症状である可能性が濃厚です。
中学時代の精神科通院が半年を過ぎたころ、
数回通院した後、なぜ急に薬が出なくなったのか電話にて聞くと(私からではなく親からです)、治療は終了したからだと伝えられました。
このようにして終了と判断された理由は不明です。実際はもっと詳しく理由の説明があったのかもしれませんが、当時、質問者は中学生ですので、親御さんはその説明の内容を質問者に伝えることは適切でないとお考えになったのかもしれません。ただ一般論として言えることは、中学生で統合失調症の疑いありと診断した場合、【3236】私は統合失調症だったのでしょうか などの回答に記した理由から、薬を飲み続けることが治療として適切かどうかは難しいので、薬を続ける・中止する、のどちらにも一理あり、どちらが正しいということはできません。
また、
しかし何かしらの検査もなし(これは私がわからないだけで何かしら対話にて行われる検査があった可能性もありますが、血液検査やWISCなどの、無知な者にもわかりやすいような検査は行われていません)に話を聞くだけで病名を判断し、その後も困ったことがないか聞いて終わりにするという診察スタイルがどうも信用ならないと考えている
この考えは間違っています。精神科の診断は、検査が必要な場合も必要でない場合もあります。この【4245】の中学生当時についての情報からみて、検査が必要な場合であったと判断することはできません。
私は転院、ないしセカンドオピニオンを受けるべきなのでしょうか?それとも前の病院に行き、また相談をすることにした方が良いのでしょうか?
どこの病院を受診すべきかは、私にはわかりかねます。
そもそも、私に通院自体必要なのでしょうか?
それは必ず必要です。
(2021.2.5.)