【4242】最悪のことを想像してしまい、怖くて仕方ない
Q: 50代男性です。
何かがうまくいかないと、最悪のことを想像してしまい、怖くて仕方ないのです。
その最悪のことが常に頭のなかを駆け巡り、怖くて怖くて何も考えられなくなります。
例えば、道を歩いていてもどうしてもそのマンホールを避けて通らないといけなくなります。避けないともう一度遠くから歩き直さないと怖いのです。
何かを買うにしても、まずお金を払えるか?が、気になります。
高額なもの、クルマや家財などをローンで買うとなると、その時は大丈夫だと思うのですが、契約した後で猛烈な不安が襲ってきて、ローンを払えなくなるのではないか??それが頭を駆け巡り、怖くなります。
怖くて、心配で、胃痛が起こります。
その胃痛が悪くなるのではないか?と、また心配で胃痛が悪くなるという悪循環に陥ります。
つまり、現状を変えることがストレスとなり、ストレスが怖さを伴ってきます。
物音に敏感になり、少しの物音でもとても憂鬱になります。
自分で出す物音でさえ、嫌になってしまいます。
近くの心療内科に通っています。
診断は強迫性障害です。
現在、ルボックスとガスモチンを服用しています。
以前はアナフラニールでしたが、副作用が強く出て、ルボックスに変えていただきました。
この病気は母が早くに他界して、その後に発病しました。
あまりにも急に母が亡くなったショックもあり、亡くなった三ヶ月後に不安が襲ってきてました。今までは何にも気にしなかったことが急に心配になり、胃痛が始まりました。それ以来、ストレスがあると症状が出てきます。
必ず、病気が出てきます。
それと母は私と同じような症状があったと記憶しています。
遺伝でしょうか?鍵を何回も確認していました。
幼心にオカシイと思って見ていました。
私もやはり何回も確認しないと気がすみません。
それはかなり症状が良いときでも、同様です。
主治医はそれは性格だから、薬では治らないような雰囲気の返事です。
生涯、薬をやめられないのでしょうか?
診断はやはり強迫性障害だけでしょうか?
林: これは【2960】最悪のイメージが浮かぶと、それが本当に起きてしまう気がする に似た症状です。診断は強迫性障害です。
主治医はそれは性格だから、薬では治らないような雰囲気の返事です。
この症状を性格として片付けるのは誤りです。少なくとも現代の精神医学の標準的な考え方からは逸脱しています。薬物療法の効果は十分に期待できます。
生涯、薬をやめられないのでしょうか?
それは薬の効果が現れてからお考えになるべきことで、今の状態でそれを考えても何の利もありません。
それはともかくとして、一般論としては、強迫性障害が薬物で改善し、その薬物をやめた場合、強迫性障害は再発することも再発しないこともあります。
(2021.2.5.)