【2495】向かいの家の人からの嫌がらせに本当に困っています

Q: 34歳女性です。些細なことが重なって、向かいの家とうまくいかなくなってしまいました。それ以来、うちの窓が開いているとわざと大きい物音をたてたり、毎日監視するようにうちの様子を見ていて、うちがたてる物音を聞いては「うるさい」「死ね」と小声でいってるのが聞こえます。
問題なのは、うちの中にいて戸がしまっていても私にだけ聞こえてしまうことです。被害妄想や幻聴ではないということは、声の男女の区別がつくこと(老夫婦でいっている)、声の聞こえるタイミング(うちが物音をたてた後など)、うちの様子を話していることから明らかです。仕事で外にいるときはそういう声はしないし・・・
 どうして私にだけきこえてしまうのかわかりませんが、長い間言われていてかなりストレスを感じているのは事実です。
家族にも相談しましたがやはり聞こえなく、わかってもらえずに苦しいです。幻聴ではないのですが、それでもこれはやはり病気なのでしょうか。
以前、精神科にもいってドグマチ-ルを服用していたことがありますが、生理不順の副作用が出たのでやめてしまいました。
1歳の子どもがいるので、どうしても家にいる時間が長くならざるを得ず、ずっとこのままかと思うと憂鬱で仕方ありません。
 今後、どう対処したらよいでしょうか?前のうちとは顔を合わせるのも嫌で避けている状態です。
 病院の先生にはこのお話しても信じてもらえませんでした。
母も、普通の人ならそんなこと毎日しないと言っています。
けれども、向かい家の人、(特に40代後半の奥様)は異常に執着心が強く、しつこい性格で、行動としては十分ありえると思います。また、どこからうちの様子を見ているのかも、私には見当がついています。
ですから、相手が本当に言っていることが聞こえてしまうという前提で回答をお願い致します。本当に困っています。幻聴でなくても、薬でよくなることはあるのでしょうか。
 

林: あなたが体験している向かいの家の人からの嫌がらせは、幻聴と妄想です。あなたは統合失調症です。

被害妄想や幻聴ではないということは、声の男女の区別がつくこと(老夫婦でいっている)、声の聞こえるタイミング(うちが物音をたてた後など)、うちの様子を話していることから明らかです。仕事で外にいるときはそういう声はしないし・・・

このような理由を挙げて、自分が体験しているのは被害妄想や幻聴でなく事実だと主張するのは、統合失調症として典型的です。なお、これらの「理由」が幻聴でないという証拠にならないことは、普通に考えても明らかです。逆に、自分の行動にタイミングのあった「声」は、統合失調症の幻聴の典型中の典型ともいえるものです。

けれども、向かい家の人、(特に40代後半の奥様)は異常に執着心が強く、しつこい性格で、行動としては十分ありえると思います。また、どこからうちの様子を見ているのかも、私には見当がついています。

これも同様です。幻聴や妄想ではないという理由づけ。病識がないことが見て取れます。

どうして私にだけきこえてしまうのかわかりませんが、

このことを客観的に考えれば、それだけでも幻聴であることは明らかです。

あなたには病識はないと判断できますが、病院に通っていること、こうして私に質問されていることなどから、病識が完全にないとまではいえません。(あるいはこのような場合、「病識はないが病感はある」と表現することもあります)

幻聴でなくても、薬でよくなることはあるのでしょうか。

あなたの体験は幻聴ですが、それはそれとして、幻聴でなくても、薬でよくなることはあります。今かかっておられる先生から薬を処方していただくことをお勧めします。

(2013.12.5.)

05. 12月 2013 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症