【4064】家にこもるようになって少し変な気がします (【3672】【3759】【3829】【3904】【3976】のその後)

Q: 【3976】通院を続けていますが、仕事はまだうまくいきません の40代女性です。 前回もご回答ありがとうございました。
今は世間の騒動で会社が休業して3ヶ月近く仕事がお休みで、ほとんど家の中で過ごしています。騒動以来、外出の機会が減ったら余計に外に出にくくなってしまいました。もともと引きこもる傾向があって外出も人も好きではないので、嫌でも外に出るように仕事をしている面もあります。仕事は主治医の先生とよく相談を…とアドバイスいただきましたが、会社が休業したので結局お休みとなりました。

通院は何とか続けていますが、やめてしまおうかと行かなかったことが一度ありました。その時は急に薬をやめたせいか体が震えるしびれる、耳鳴りがひどくなるなどして、睡眠もとれなくなってやむなく一週間でまた行き始めました。薬があるから今の生活が成り立っていることをよく理解できないし、今のクリニックに行く前の病院も行かず薬もなしの数ヶ月の状態も忘れてしまったし、通院を続ける重要性が未だよく分かりません。薬を少しずつ減らしてのまなくてよくなって通院もなくなると楽なのになと思います。やめてみたら薬がなくても大丈夫かもしれないし。

通院して薬ものんでいるのに、最近、音や声がとても気になります。外に出にくいのはそのせいもあって、聞こえてくる笑い声とか話し声はわたしに対するものに思えます。こういう時は調子よくないんだなと思っていますが、とても苦しいです。さらに近所の人や友だちまでもわたしを嫌っているとしか思えなくて、実際にそうかもしれないですが、苦しくて、死にたいとか死ねばいいのにとか独り言でしょっちゅう言っています。こういうのってなくならないのかなぁと悲しくなります。薬ものんでるのに。でも診察で相変わらずあまり話をしないので伝わってないからよくなるものもなっていないのかもしれないです。

ここまで書いて病院に行きました。
通院の直前から人が見てるし笑うしで外に出られなくなり、家に隠れていても近所の人に攻撃されるので居るところがなくなり、主治医の先生に訴えました。その時は真剣にぜったいそうに違いないと感じていましたが、今は落ちついたのでなぜそう思ったのか信じられません。人に見られたり笑われたり、攻撃されるという感じはずっとあるのですが、そうかも知れないとかそんな感じがするという時とぜったい違いないと思って生きてもいられないと感じる時とあります。落ちつくとあれは何だったんだろう、と思います。今回は違いないと思っているときに通院があったので極端に伝わったかな、と気になっています。薬の量が増えました。

仕事もなく外に出る用もほとんどないので、家の中でだけ過ごしていることに焦りを感じています。何をしている訳でもないけど1日があっという間にすぎるのでヒマは感じませんが、家にずーっといるのは気が引けるし近所から聞こえる音がとても気になって、わたしが歩くと2階の人もついてきて何か言っているような気がするので、ちょっと家から離れたいです。

わたしが感じているだけの妄想なのか、本当のことなのか、気のせいか病気のせいなのか、新たな病気が増えたのか、いろいろ考えすぎてしまいます。睡眠も安定しないので、ゆっくり朝まで眠りたいです。

長々と変なことを書いてしまいました。読んでくださってありがとうございます。

 

林: 経過のご報告をありがとうございました。「統合失調症がよくなりかけているがまだ不十分」という状態が、このメールからは読み取れます。

その時は真剣にぜったいそうに違いないと感じていましたが、今は落ちついたのでなぜそう思ったのか信じられません。

この一文に代表されるように、症状が時によって動揺していることがわかります。統合失調症の薬物療法中にこのような現象が見られるとき、その多くは薬の量がまだ足りないことが原因です。
したがって

薬の量が増えました。

主治医の先生のこの対応は当然です。

わたしが感じているだけの妄想なのか、本当のことなのか、気のせいか病気のせいなのか、新たな病気が増えたのか、いろいろ考えすぎてしまいます

妄想です。

薬ものんでるのに。でも診察で相変わらずあまり話をしないので伝わってないからよくなるものもなっていないのかもしれないです。

薬をのんでいても、症状が正確に主治医の先生に伝わっていなければ、適切な処方をすることはできません。今回、最近の状態をお伝えしたかどうかは明記されていませんが、文脈からはお伝えしたことが窺われ、その結果として適切に処方が変更されたのだと思います。

今回の回答も要約すれば前回の【3976】 と同じで、今は通院を続けることが第一です。そして通院の度に症状を主治医の先生によくお伝えすることです。そうすることで治療の適切さが高まり、さらなる改善が期待できます。

(2020.6.5.)

その後の経過 (2021.1.5.)

05. 6月 2020 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症