【2481】統合失調症の夫の飲んでいる薬の事での不安
Q: 主人は55歳です。妻の私は48歳で子供はいません。 主人は27歳の時に発症したそうです。結婚して数年後にわかりました。主人が34歳の時に結婚。結婚した時はおさまっていました。 私も当時は統合失調症に対する知識がなくて、よくわからないままでしたが、結婚してから再発して、とてもひどい幻聴妄想が始まりましたが、数年間、その狂気のような中で私もへとへとになりながらも知識が足りなくて、主人にきちんとした治療を受けさせる事ができず、薬も飲んだりやめたり、ほんとうに、無知でした。 主人を連れて、何件か良い精神科を探して受診もしました。その中で、ようやくしっかりと治療ができるドクターに出会い、もう、その先生にかかり12年になります。 あれだけ消えなかった幻聴妄想が薬物療法により消失しました。 その先生が最初いろんな薬を試してくださり、最終的に10年前にジプレキサ20ミリで落ち着き、その量を今も主人は服用しています。 今は精神科の薬は、ジプレキサ20ミリ、のみです。その他には、内科で高脂血症も長く、高脂血症の薬を飲んでいます。 主治医によりますと、主人の場合、「再発をしながらも治療が遅れて、こじれてしまった所からのスタートで、いろいろ試したが、少ない量では効かなかったので、」という事でした。 私は、ジプレキサという薬で高血糖になったり、糖尿病を発症したりという噂をきいていたので、最初はとても不安になり主治医に聞いたのですが、すごく冷たく嫌な感じの雰囲気で、「私がその薬が良いと判断してだしたので。」みたいに言われ、私はその主治医が苦手となり、質問もできなくなりました。 しかし、主人は、この薬でもう10年も安定しています。今のところ血糖も上がらないです。ちょっと肥満ですが、身長173、体重は75キロから77キロを行ったり来たりです。 もうずっと幻聴妄想もなく、安定しているので、少しでも薬を減らしていただけないかと、数年にわたり、何回か主治医に打診しているのですが、「減らすのが恐い。副作用も目立ってはないし、この量が合っている。」といって、主治医は減薬する方針はないようです。 私は、とても不安になりました。 本やネットで調べましたところ、ジプレキサは、減薬した場合にとても激しい禁断症状がでて、最も、減らしにくい薬だという事を知り、また、この薬で、糖尿病を突然発症する事があるとも書いてあったり、 心配が深まりました。
そんなこともあって、以前、良さそうな別の精神科を訪ねて、夫を診ていただけないでしょうかとお願いしましたが、どうしても、今の主治医の治療の経過の資料がないと、受け入れられないと、断られました。 精神科を転院する場合、どうしても、主治医の紹介状や資料がないと転院はできないものなのですか? だまって、別な病院を探して、転院する事は、できないのですか?
林先生にアドバイスをいただきたい内容をまとめてみます。 1 ジプレキサ20ミリを10年も飲んでいて、それも、今の主治医は減薬の方針はないようで、このままだと生涯、主人はこの量を飲んでいくことになると思うと、心配です。突然、糖尿病を発症する危険が最も心配ですが、そのような事は結構起きる薬なのですか? 2 ジプレキサは、減薬がかなり難しいと書いていた本を読んだのですが、そんなに恐い薬なのですか? 3 林先生は、ジプレキサ20ミリの長期何十年にもわたる処方は良いと思われますか? 4 主治医の紹介状なしに、別な病院に転院する事はできないのですか?
ジプレキサのような強い薬を20ミリも生涯飲む主人の体が心配です。減薬という方針をもって治療にあたってくださるようなドクターを探して転院したいのが私の願いなのですが、主人は今の主治医を信じていて、このままでいいというので、どうしたらいいのだろうかと、私が一人で気をもんでいます。 林先生、どうか、どうか、ご回答を懇切に願っております。よろしくお願いいたします。
林: 統合失調症の配偶者を気遣う質問者のお気持ちはよく理解できます。そのお気持ちは、ご主人様の今後の経過にこのうえないプラスになることは間違いありません。
けれども質問者は、いい加減な情報に惑わされる傾向が強いことが読み取れます。今後はネットなど見るのはやめて、主治医の先生の方針に従うことをお勧めします。
ご質問項目への回答は以下の通りです:
1 ジプレキサ20ミリを10年も飲んでいて、それも、今の主治医は減薬の方針はないようで、このままだと生涯、主人はこの量を飲んでいくことになると思うと、心配です。突然、糖尿病を発症する危険が最も心配ですが、そのような事は結構起きる薬なのですか?
いいえ。
私は、ジプレキサという薬で高血糖になったり、糖尿病を発症したりという噂をきいていたので、
そのような噂を聞いただけでとても不安になるのは不合理です。
最初はとても不安になり主治医に聞いたのですが、すごく冷たく嫌な感じの雰囲気で、「私がその薬が良いと判断してだしたので。」みたいに言われ、
どのような聞き方をされたのか、また、この先生の雰囲気が客観的にどのようなものであったかは不明ですが、噂に基づき治療方針に疑問を投げかけた質問者のほうにも問題があると言わざるを得ません。
なお、ジプレキサは、糖尿病の人が飲んだ場合に、高血糖などの有害作用が出ることがありますので、糖尿病の人に処方することは禁じられています。しかし、糖尿病でない人がジプレキサを飲んだからといって、高血糖になったり糖尿病になったりするという信頼できるデータは存在しません。質問者はいい加減な情報に惑わされているか、情報を誤読しているかのどちらかです。
2 ジプレキサは、減薬がかなり難しいと書いていた本を読んだのですが、そんなに恐い薬なのですか?
いいえ。質問者はいい加減な本をお読みになったのでしょう。
3 林先生は、ジプレキサ20ミリの長期何十年にもわたる処方は良いと思われますか?
この問いは誤っています。良いか悪いかではなく、必要か必要でないかを問うべきです。必要なら何十年でも飲むべきです。
4 主治医の紹介状なしに、別な病院に転院する事はできないのですか?
できます。しかしそれはお勧めしません。いい加減な情報に惑わされている限り、転院しても同じことが起きると思います。
(2013.12.5.)