【4015】前の質問から10年ほどたち、今は症状もなく医療者として働いています (【2049】のその後)

Q: 【2049】叫んでしまいそうな感じ。体の様々な奇妙な感覚 で質問をした女性です。
質問をした際は中学生でしたが、20代となり現在は医療者として働いています。
質問をしたことすら忘れていたのですが、10年ほど経ち、偶然にも自分の質問を発見し、思うところがありましたのでメッセージを送らせて頂きます。

上記の質問に対する先生の回答にて、統合失調症もしくは解離性障害の可能性があるとありました。その回答を見た当時のわたしは、病院を受診した方が良いのかもしれないと思いながらも、親に相談することも出来ず結局受診しませんでした。そのうち、親が再婚し、暮らす環境が変わるうちに数々の奇妙な感覚はなくなっていきました。当時のわたしは辛い環境からのストレスで離人的症状を持っていたのだと考えます。

わたしの父は精神的疾患を指摘されたことはありませんでしたが、わたしが小学生のときに練炭自殺をしました。その後、母とふたり暮らしをすることになりましたが、「お前のせいでこうなった」、「あんたさえいなければこんなに辛くなかった」など言われたり、心中を持ちかけられたりし、かなり辛い環境で幼少期を過ごすこととなりました。自分でも非健康的な精神状態であるとわかっていたのか、親の目をすり抜けつつ精神疾患について調べているうちに林先生のHPを見つけたのだと思います。その後、母は現在のわたしの義理の父と再婚し、環境も改善され、気持ちの悪い感覚を思い出すことはなくなっていきました。

わたしは、先生の回答を基になにか行動を起こすことはしませんでしたが、環境の改善により自身の精神的健康を得ることができました。大人になり、わたしの幼少時代の記憶を整理するために、このHPはかなり役に立ちました。ある程度の時間の経過と客観性をもって、子どもの頃のわたしについて考える手がかりとなりました。とても救われました。誰にも相談できない環境のなか、自分の感じていることを聞いてもらい、客観的に考察してもらうことはかなり自分の救いになりました。ありがとうございました。お身体に気をつけて。乱文失礼致しました。

 

林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。【2049】では当時の症状だけの記載であったため、統合失調症または解離性障害とお答えしましたが、今回、幼少期の大変辛い体験を知らせていただき、また、現在はあれから特に治療を受けることなく安定した日常生活を送っておられることもあわせると、【2049】の当時は解離性障害であったとほぼ確定的に言うことができます。今後も安定した幸福な生活を送られることを願っています。

(2020.4.5.)

05. 4月 2020 by Hayashi
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