【3935】強迫を根治させられる医師はいないのでしょうか

Q: 50代女性です。強迫観念に関する悩みです。 高校生の時、理数系が苦手で、仕方なく文学部英文科に進学しました。入った大学は、同級生も教師も嫌いなタイプばかりで、ゼミに出るのが苦痛でした。英文科ですから授業のたびごとに訳読を指名されるのです
が、そのときどうしても嫌悪感が露骨に態度に出てしまうので、Sという女教師にそのたびごとに怒鳴りつけられました。
大学は一年で中退してしまったのですが、S女史の罵り声が、壊れたテープレコーダーでも回すように間断なく頭の中でリフレインするという症状が始まり、50歳を過ぎた今でも続いています。
この間、精神科を受診し、統合失調症に基づく強迫観念と診断され、薬を処方されました。薬をのめばある程度症状はおさまるのですが、根治はしません。根治させてくれる医者を求めて10人ほどドクターショッピングをしたのですが、どこでも薬を出して症状を抑えることしかしてくれません。
強迫観念を治してくれる精神科医はいないのでしょうか。あるいは医者に頼るのではなくて、民間療法的な自己治癒を目指した方がいいのでしょうか。たとえば神社でおはらいを受けるとか、、、。
もう30年以上も頭の中の罵り声が続いていて、ほとほと疲れ果てました。
私はどうしたらいいのでしょう。アドバイスいただけたら嬉しいです。

 

林: 薬による病気の治療とは、それが体の病気であれ、精神科の病気であれ、一定期間その薬を飲むことで治療が終了するものと、長期間にわたって飲み続ける必要があるもの、時には一生に渡って飲み続ける必要があるものがあります。
体の病気でいえば、たとえば、高血圧や糖尿病は、生活習慣などの改善だけでよくなり薬は必要ない場合もあれば、一時的に薬が必要な場合もあれば、一生にわたって薬が必要な場合もあります。つまり薬の必要性はケースによって異なりますので、「一生にわたって薬が必要な場合」のケースについて、薬をやめたいと希望してもそれは不可能であるという現実を受け入れる必要があります。

この【3935】のケースについては、具体的な症状の記載が乏しいので診断が何であるか不明ですが、

統合失調症に基づく強迫観念と診断され

と書かれていること、及び、

30年以上も頭の中の罵り声が続いていて

という症状があることからは(もっとも、これについても、この表現ですと幻聴といっていいかどうか不明ですが、一応幻聴であると解釈することにしますと)、統合失調症である可能性が最も高いと言えます。すると、長期にわたって薬が必要であり、薬なしの治療はまず不可能です。【2335】統合失調症の薬への依存からの脱出を目指して【3779】一日も欠かさず薬を飲んできた今、何の症状もないのですが、それでも私は統合失調症でしょうか  などをご参照ください。

根治させてくれる医者を求めて10人ほどドクターショッピングをしたのですが、どこでも薬を出して症状を抑えることしかしてくれません。

この【3935】の質問者に対しては、薬で症状を抑えることが最善の治療です。

強迫観念を治してくれる精神科医はいないのでしょうか。

これまで受けてきたのが最善の治療です。

あるいは医者に頼るのではなくて、民間療法的な自己治癒を目指した方がいいのでしょうか。たとえば神社でおはらいを受けるとか、、、。

現実を受け入れず、幻の理想を追っても結果は悪い方向に向かうばかりです。
【2121】霊能者にあなたは統合失調症でないと言われて薬をやめてから姉の病状がおかしくなりましたなどもご参照ください。

私はどうしたらいいのでしょう。

現実にしっかりと目を向けてください。

(2019.12.5.)

05. 12月 2019 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: |