【3867】 常に興奮し叫び続ける統合失調症の叔母が良くならない

Q: 私は30歳の女性です。近所に住む統合失調症の63歳の叔母(私の父の弟の妻)についてです。
叔母は29歳のとき長女(私とはいとこ)を出産。そのころから気分が沈み様子がおかしくなり、家事ができなくなり引きこもりがちになっていったとのことです。
精神科に受診することはなく未治療のままで、夫(私の父の弟)が家事や育児をしてきたそうです。
叔母が31歳ごろに長女を連れて数日行方不明になったそうで、隣の市のビジネスホテルで警察沙汰になり見つかったそうです。
ホテルでの叔母の様子は興奮し何かに怯えるように泣きわめき話ができる状態ではなかったとのこと。自宅に帰ってからも興奮し眠ることなく、次の日には精神科を受診し入院したそうです。
叔母はそれから年に1度のペースで入退院を繰り返し、自宅に戻るものの家庭での暴言や興奮が酷く、「穏やかな状態」というのが少ないようです。
処方された薬や頓服は叔父が管理し素直に飲んでいるようです(薬の名前は分かりません)
数年ほど精神科デイケア にも通ったようですが叔母の興奮と絶叫、暴言が原因で他の患者とのトラブルが多く退所になり一日中家に篭っています。
ここずっと同じ精神科に通っていますが、良くならず叔父も体力的にきついと相談がありました。
長女(私のいとこ)も高校から寮で一人暮らしをし叔母とは縁を切っています。以下叔母の症状についてです。
・昼過ぎから夕方ごろにかけ興奮し家族の名を呼び叫んだりする。
・怒った口調で「何を言っている」「ばかたれ」と独り言が多い。
・盆や正月などいつもと違う日課や行事があると更に悪化して落ち着かず立ったり座ったり同じ行動を繰り返す。
・気に入らないことがあると床に寝転がり話もせず動かなくなる。または暴力を振るう。
・近所の嫌いな人(妄想による)が通ると庭からその人を攻撃し叫び罵倒する。
・時々奇妙に身体が硬直し、椅子に座ったまま一点を見つめご飯も食べないときがある。
近所に住んでいることもあり様子はある程度知っていましたが、今年の正月に叔母の興奮を見たときはまるで悪魔憑きのようで驚きました。
1日を通して穏やかなときが無いようで、精神科に通い服薬しながら、でも良くならない叔母の状態に疑問があります。
統合失調症の緊張型?との説明があったようですが、診察のたびに医師に伝えても、入院をしても薬の変更に消極的(mgの増減のみ)だそうです。10年は毎日状態が悪いとのこと。
通院先を変えるべきか、そもそも、診断自体が違うのか、アドバイスを下さい。よろしくお願いします。

 

林: 症状と経過からみて、叔母様は診断されている通り統合失調症の可能性が最も高いと思います。そして、今の状態は、

精神科に通い服薬しながら、でも良くならない

と要約できます。
このような場合、最も多い原因は、実は薬を飲んでいないということですが、

処方された薬や頓服は叔父が管理し素直に飲んでいるようです(薬の名前は分かりません)

とのことですので、すると、薬の処方が不適切、特に薬の量が少なすぎるということが考えられますが、薬の名前も量も不明ですので、具体的なアドバイスは不可能です。薬の処方が適切であっても、難治性で薬がほとんど効かないということも考えられます。
「薬物療法が適切かどうか見直したほうがよい」というのが、現時点で言える限界ということになります。

(2019.8.5.)

05. 8月 2019 by Hayashi
カテゴリー: 病院を変えたい・変えるべきか, 精神科Q&A, 統合失調症