【3851】幼少期に体験した不思議な感覚

Q: 20代後半の女です。
心療内科にかかったのは、自身が知的障害を持っているのではないかと思い、知能検査を受けに行ったときだけです。(そのとき、苦手なことはあるけれど知的障害とは言えないレベルとの診断をいただきました。)

今回させていただく質問は
『幼少期に体験した不思議な感覚は、解離かどうか』です。
小学校3,4年生の頃親の離婚でごたつき、一時的に姉弟揃って施設に預けられ、母が引き取る準備が整うまで待っていました。
母と暮らすことになってからは、長女ということもあり勉強が出来ないながらも「お母さんは頑張ってくれてるんだから、迷惑かけちゃいけない、わがまましちゃいけない」と姉意識が急激に芽生えていたように思います。
その頃
・ 急に意識が現実から離れ、上半身と下半身で体が分かれる感覚になり、自分の意思はないまま、歩いたこともないような場所を散歩している映像が頭の中に流れる。日中頻繁に見る。
・寝ているときの夢で『ミラーハウスのような鏡の世界に、案内人が立っている。でも道を教えてくれるわけでもなく、その場に立っているだけ。目的がわからずさ迷うことになる』
『巨大なバランスボールがある部屋に入れられ、跳ねてくるボールから逃げなければいけない』という内容のものを頻繁に見る。
・幻聴幻覚が数回ある。(保育園に通っている妹が一人で帰ってくるはずがないのに、帰ってきた声と姿を確認したものだと思い込み、夜母と帰ってきた妹を見て「夕方『ただいまー!』って一人で帰ってきてたの!」と本気で抗議したことがある。)

以上3点が幼少期に体験した不思議な感覚です。
この現象は小学生で終わり、その後は見ていません。自己分析だと『幼い精神状態にプレッシャーがかかり、夢や一時的な逃げが見られたのかな』と思っています。
しかしそのような一時的な解離などは一般的にあるのでしょうか?

ぜひ回答いただけたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。

 

林: その通り、これらは解離でしょう。

自己分析だと『幼い精神状態にプレッシャーがかかり、夢や一時的な逃げが見られたのかな』と思っています。

その自己分析は正しいと思います。そしてそれはまさに解離という現象のメカニズムにほぼ一致しています。

そのような一時的な解離などは一般的にあるのでしょうか?

解離自体は健常者にもありうる現象です。ごく軽いものであれば「一般的」と言えるでしょう。この【3851】の質問者が幼少期に体験した解離は軽いとは言えず、したがってたとえ一時的でも「一般的」とは言えません。おそらく質問者の特異な生育環境に関連して現れた解離だと思います。

(2019.7.5.)

05. 7月 2019 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 解離性障害