【3791】家の中に盗聴器が仕掛けられている

Q: 20代男性です。
私は、家の中に盗聴器が仕掛けられてるのではないかという疑いが頭から離れないのです。なぜならば、近くに家が建ち始めてから約1年経ちますが、私の家からその家までの距離は何メートルも離れておらず、私の一番いる事が多い場所に隣人がいる事が多い気がします。勝手に居るのはその人の自由ですが、今までは家が建つ気配もなく林だった事もあるため環境が一変した事もあるのだと思うのですが、私や家族しか知らない内容を私に向かって話すかのようにお前の弱みを握ってやったような事(私や家族しか知らない内容)を言うのです。最初は頭の中で「自分の他人に隠していたい経験と他人の発言を結びつけて考えてるだけだ」と考えていましたが、あきらかに家が近い事を良い事に聞き耳を立てている行動をし監視(明確で的確なものなのです。その事も私に聞こえる声で言っていました)までしてくるのです。
では、盗聴器をいつ仕掛けられたか私なりに考えてみました。家を建築中に足場を組み立てた際かと思われます。距離は私のよく居る場所の外装から手や足が届く範囲であるためその時かと思います。また、同時期にこちらも家の件で業者を呼んで足場を組んでいたためにその可能性もあるのかと思います。
以上のことから私は統合失調症ではないかと考えています。
盗聴や監視によるもので、妙に信憑性があり、私が独り言(自覚)に対する良いタイミングで返事が返ってくる普通ならば、タイミングがズレが生じるなどが挙げられますが妙にタイミングが良い事や独り言なので隣の部屋に居る家族でさえ聞こえる事がない声量です。
これは病気ではなく単に近隣のトラブルとかですか?
専門的な業者を呼んでないのでなんとも言えませんがね、

上記の統合失調症とは無関係な自覚症状かも知れませんが、憂鬱な気持ちや身体的な症状(頭痛 下痢) 表情(喜怒哀楽)の欠如 時々衝動的になってしまう。自傷行為を無意識にやっている。体が浮く感覚みたいなもの時々などは統合失調症なのでしょうか ?

 

林:
私は、家の中に盗聴器が仕掛けられてるのではないかという疑いが頭から離れないのです。

盗聴器が仕掛けられているという訴えがあったとき、第一に考えられる病気は統合失調症です。
ただしもちろんそれだけで統合失調症と診断することはできません。
そこでさらに内容を見ていきますと、

私や家族しか知らない内容を私に向かって話すかのようにお前の弱みを握ってやったような事(私や家族しか知らない内容)を言うのです。

これはさらに統合失調症に特徴的な訴えです。
統合失調症の幻聴のひとつの典型的な内容は、「自分しか知らないはずのことを他人が言っている」というもので、ご本人は「だから盗聴されているに違いない」というように論理的に考えることはしばしばあります。この【3791】の訴えはその典型的なものによく一致しています。

最初は頭の中で「自分の他人に隠していたい経験と他人の発言を結びつけて考えてるだけだ」と考えていましたが、

統合失調症の初期の症状が現れた段階で、ご本人はこのように考えることもありますし、そのような段階は経ずに、「他人が言っているに違いない。盗聴されているに違いない」と考えることもあります。そして、このように(「自分の他人に隠していたい経験と他人の発言を結びつけて考えてるだけだ」と)考えた場合でも、

あきらかに家が近い事を良い事に聞き耳を立てている行動をし監視(明確で的確なものなのです。その事も私に聞こえる声で言っていました)までしてくるのです。

このような体験を経て(実際にはこれは現実の「体験」ではなく、幻聴、幻視、ないしは認知の歪みです)、盗聴されているに違いない、言われているに違いないという確信に至るのが最も典型的な経過です。この【3791】の記載はまさにそれに一致しています。
そして、

妙にタイミングが良い事や独り言なので隣の部屋に居る家族でさえ聞こえる事がない声量です。

このように、絶妙のタイミングで言われるというのも、統合失調症の幻聴では典型的なものです。(自分の行動に合わせての絶妙のタイミングで言われる というケースもしばしばあります)
また、同居している家族には聞こえない理由として、このような理論的説明をご本人がされることもしばしばあります。

専門的な業者を呼んでないのでなんとも言えませんがね、

統合失調症では、業者に依頼して盗聴器の存在を調べてもらうというケースも時にあります。そして調査の結果、盗聴器はないと報告されても、統合失調症の人はその結果を信用しないのが常です。【1866】被害妄想に対し、盗聴器発見業者として何ができるかもご参照ください。

この【3791】の質問者は、今の体験が、現実なのか、統合失調症の症状なのか、判断に迷っていることがメールから読み取れます。もしこのまま治療を受けずにいると、現実だという確信がどんどん強まっていくことが予想されます。
また、

憂鬱な気持ちや身体的な症状(頭痛 下痢) 表情(喜怒哀楽)の欠如 時々衝動的になってしまう。自傷行為を無意識にやっている。体が浮く感覚みたいなもの時々などは統合失調症なのでしょうか ?

これらも統合失調症の症状であると判断できます。
なるべく早く精神科を受診し、治療を受けてください。

(2019.2.5.)

05. 2月 2019 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: , |