【3777】自分の中に自分が何人もいるようで辛い

Q: 20代女性です。
小学生の時に両親の虐待が原因で頻繁に解離を起こすようになり、10代後半で自殺未遂をしたことをきっかけに精神科に通院しうつ病と境界性人格障害だと診断されました。親が私が精神科に通うことを好ましく思わなかったため数ヶ月程度しか通わせてもらえず強制的に断薬させられて数年が経っています。
自殺未遂を起こした頃に比べれば希死念慮や自傷はマシにはなりましたが、自分の中にある人格の切り替えが早すぎて生きていてとても疲れてしまいました。
私を取り巻く人たちから見た私と私から見た私は常に全く違う人格なのです。私のことを明るくて面白いと思っている人間の前ではそのように振る舞うし、男っぽくて変人だと思っている人の前ではそのように振舞っていますが、もう数年ほど私の心は暗く淀んでいて、誰といても孤独を感じるし何も楽しいと思えません。楽しいふりをずっとし続けているので人と過ごしたあとは口をきけないほど疲れてしまいます。けれど、どれだけ疲れていようと人といる時は暗く淀んだ人格は出さないし、出すこともできません。勝手に私の社会的イメージに沿ったキャラクターを演じてしまうのです。これはみんなが経験しているようなことなのでしょうか?それとも私はまだ何かの病気なのでしょうか?

 

林: 解離性障害の一種です。人格の変化を、質問者本人は自覚しておられますので、解離性同一性障害(多重人格)の定義には一致しませんが、実際には、人格交代を曖昧に自覚していたり、この【3777】のように明確に自覚しているケースもあり、解離性同一性障害のいわば不全型と言っていいと思います。

(2019.1.5.)

05. 1月 2019 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 解離性障害