【2452】東日本大震災時に津波に追われてから、パニック発作が頻回に起こる‏

Q: 高3女子です。2011年3月の東日本大震災時に津波に追われ、九死に一生を得ました。家は流されました。5月までは高校に通いましたが、6月に入り学校のそばの川が怖くなり、行けなくなりました。学校は海から遠いので津波は来ないとわかっていても怖く思えました。精神科を受診しセロクエルを処方されました。  通学できなくなったので、9月に東京の高校に転校しました。普通に通っていたのですが、2012年1月、急に息苦しくなり、体もこわばり、救急車で運ばれました。血液検査、心電図など異常はありませんでした。このような発作が頻繁に起こるようになり、頓服用にリスパダール(液体)を渡されました。しかし発作の回数は減らず、2日に1回位起きるようになりました。  2012年6月にワイパックスを処方され発作の回数は減りました、しかしいまだに週に1回か2回は起きます。頓服リスパダールもあまり効かなくなっています。もちろん学校には行けません。電車も乗れません。ひとりでの外出ができません。体調の悪い日が多く、横になっています。機嫌のいいときはお菓子をつくったりしますが、、。食欲はなく、普通の人の1/4位しか食べられません。もともと虚弱体質です。初めての発作から1年半以上経ちますが、いっこうに発作がおさまりません。頭痛やめまいもあったりします。今年になってからは、いつもお腹が痛く、ひどく痛くなる時もあります。  現在の処方は、夕食後セロクエル25mg。就寝時リスパダール0.5mg(細粒)。朝、夕、ワイパックス0.5mgずつ。それと頓服リスパダール0.5mg(液体)です。  最近は診察日に外出できない日も多く、親が薬だけもらって来ます。最近はもう津波の夢を見ることもないのですが、発作は続いています。どうしてでしょうか。  薬を飲み続けても発作が減らないのは、どうしてでしょうか。他に方法はないのでしょうか。教えていただければ嬉しいです。

 
林: パニック発作という記載ですが、これはPTSDの一種とみていいと思います。PTSDと診断するためには診断基準を満たす必要があり、するとこの【2452】のケースにはPTSDという診断は下せないということになるかもしれません。けれども症状発生のメカニズムとしてはPTSDと同等とみてほぼ間違いないと思われますので、治療はPTSDと同様ということになります。現在は

最近は診察日に外出できない日も多く、親が薬だけもらって来ます。

とのこと、すると薬物療法を中心に行う以外にありません。しかし処方内容を見ると、PTSDの治療としてはやや疑問で、抗うつ薬による治療を行うべきケースであると言えます。まず抗うつ薬で一定期間治療し、定期的に診察を受けられるまで回復したら、薬物療法以外の治療も検討するという手順が勧められます。

 

(2013.10.5.)

05. 10月 2013 by Hayashi
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