【3667】統合失調症とその病識について  

Q: 30代女性です。 いつも楽しく拝見しております。

精神科Q&Aを読んでいてふと思ったのですが、病気にかかっていない人間が、統合失調症に対する知識を深めることは、統合失調症の予防やそれに類するものになり得るのでしょうか。
統合失調症は病識を持ちにくく、それ故、治療が困難であるという印象があります。ということは、もしかすると、予備知識として統合失調症のことをよく知っていれば、もし統合失調症になったとしても、それを知らない人よりも病識を持ちやすく、結果として早期治療にあたることができる、ということはあるのでしょうか。
また、これは他の精神的な病気に関しても言えることでしょうか。

もうひとつ気になることがあるのですが、たまに、精神科Q&Aで統合失調症と思われる方の文章を次々と読んでいると、自分も頭がおかしくなってしまうのではないか (言葉足らずの表現ではありますが、敢えてこのように表記させていただきました)という気持ちになることがあります。そのようなことはあるのでしょうか。杞憂であるとは思いますが、精神科Q&Aは自分の精神が落ち着いているときに、少しずつ読むようにしています。

よろしければご回答のほどよろしくお願いします。

 

林: このご質問は
【2024】統合失調症に罹患したら自分が病気と思えないのだとしたら、統合失調症の症状について知っておいても意味がないのでしょうかとほぼ同じ趣旨だと思います。【2024】の回答をご覧ください。

また、これは他の精神的な病気に関しても言えることでしょうか。

これにつきましては、「それぞれの病気による」という答えになると思います。
いわゆる「統合失調症圏」と呼ばれているもの(妄想性障害など)では、統合失調症と同様に、病識を持ちにくい傾向は強いです。また、双極性障害やうつ病(ここでいううつ病は内因性のうつ病です。「真の」うつ病と言ってもいいでしょう)でも同様の傾向はあります。

精神科Q&Aで統合失調症と思われる方の文章を次々と読んでいると、自分も頭がおかしくなってしまうのではないか (言葉足らずの表現ではありますが、敢えてこのように表記させていただきました)という気持ちになることがあります。そのようなことはあるのでしょうか。

一般的な答えとしては「そのようなことは、ない」になります。
ただし、ご質問からは少し外れますが関連したこととして、
【0938】心霊スポットに行ってから言動が変になったのように、もともと統合失調症の素因がある場合、非日常的な体験(非日常的な文章を「読む」ことも体験に含まれます)をきっかけに発症するということはあり得ます。

(2018.5.5.)

05. 5月 2018 by Hayashi
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