【3607】薬を持って行ってしまう母について

Q: 私は20代、女です。
統合失調症だと診断されてから一年が経ちました。
妄想型統合失調症だとのことです。
新卒で入社した会社を、もう一年近く休職しています。

さて、ここで相談なのですが、最近母がわたしに処方された薬を勝手に持って行ってしまうようになってしまいました。
とりわけ持っていかれるのはデパスやワイパックスで、外に出る際にデパスとワイパックスがないと怖くて出られないわたしにとっては、それは致命的なものとなります。
デパスとワイパックスを飲んだ母の様子は、わたしから見ても明らかにおかしく、呂律も回っていなければふらふらしていて、見ていられません。
なんとか薬を持って行かれるのを阻止しようと、デパスワイパックスを隠したことがあったんですが、その時はリスパダールやリボトリールを勝手に持って行こうとして、その薬はあなたが欲しがっているような作用の薬じゃないし、その薬を持って行かれると困ると言ってなんとか阻止したのですが、母は完全に薬物依存になっていて、気がつけばデパスワイパックスを持って行ってしまいます。
母が薬を持って行ってしまうので、飲みたい時に薬が飲めず、幻聴が聞こえたり被害妄想が激しくなったり、動悸が止まらなくなったりしてしまいます。

更に言うなら、母には統合失調症という病気に対してまったく理解がありません。
わたしが実家療養中で、ごろごろしているのを「怠けている」と思っているようで、あれやこれやと家事を押し付けてきます。
薬も取られて、身体が動かなくなっているのに、母はわたしに動くことを強制します。
いつも不安感に苛まれており、母のことを母だと思えなくなり、病状は悪化するばかりです。
しかし、これ以上会社を休んでいられないこともあって、来月からは復帰しようと思っているのですが、それも怪しくなってきました。
まったく病状に改善が見られない今、主治医も「来月から復帰は厳しいんじゃないか」とおっしゃっていて、どうしていいのかもうわかりません。

わたしとしては、母に薬を持って行ってほしくないのです。
更に言うなら、統合失調症という病気に理解を示してほしいのです。
このままだと、間違いなくわたしは自殺してしまうだろうと思うのです。
死ね、死ね、全部お前が悪いんだ、と電波がわたしを襲うのです。
わたしが全部悪いことはわかっています。
神がわたしに死ねというなら、いつでも死ぬ気でいます。
ただ、母以外に残される家族のことを思うと、死ぬことに躊躇いが生まれます。
これまで自殺未遂を三回繰り返してきましたが、死ぬことができずに今を生きています。
母に薬をとられるということは、母はわたしに「死ね」と言ってることと同義なのではと思います。
大切な薬を取られることはつまり、わたしがいつ死んでもいい存在だと思っているに違いありません。

母に薬を持って行かれないためにはどうすればいいでしょうか。
母に統合失調症への理解をえられるためにはどうすればいいんでしょうか。
わたしはもう死んだほうがいいのではないでしょうか。

支離滅裂な文章になってしまい、申し訳ございません。
どうか、回答をお願いいたします。
このままでは自殺しかねないのです。
つらいのです、苦しいのです。けれどわかってもらえないのです。
もう限界なのです。デパスとワイパックスがなくて、死にそうなくらい漠然とした不安感がわたしを襲うのです。

回答をお願いいたします。

 

林:
わたしとしては、母に薬を持って行ってほしくないのです。
更に言うなら、統合失調症という病気に理解を示してほしいのです。

統合失調症である質問者にとって、どちらも当然の願いだと思います。そして、質問者の統合失調症の改善のためには、どちらも必要でしょう。けれども、すぐにこの両方を同時に解決することは難しいので、現実的な対処法を考える必要があります。
そうなりますと、「統合失調症という病気に理解を示してほしい」のほうは後回しにせざるを得ません。このお母様に病気について理解していただくには時間が必要でしょう。したがって、まずは薬を守ることが先決で、それが質問者の会社への復帰にも直結することは間違いありません。

そして薬を守るための具体的方法ですが、それは主治医の先生との相談ということになるでしょう。

まったく病状に改善が見られない今、主治医も「来月から復帰は厳しいんじゃないか」とおっしゃっていて、

とのことですが、主治医の先生はお母様が質問者の薬を取って飲んでいることをご存知なのでしょうか?
病状が改善しない原因の、少なくとも一部はお母様の行動にあることは確かですので、その状況を解消することは主治医の大きな責務の一つです。
また、お母様は抗不安薬の依存症になっていると見られますので、依存症の患者に取られることを知ったうえで、漫然と処方を続けるというのは、医師として容認できない行為です。
ですので、この【3607】の主治医の先生に、質問者は今の家の状況をお伝えしていないのではないでしょうか。だとすれば一刻も早くお伝えして、主治医の先生に方策を講じていただくことが第一です。
もし主治医の先生がこの状況を知ったうえで何もしていただけないのであれば、不条理ではありますが、質問者自身として何とかするしかないでしょう。それには端的に薬を隠すという手段を取るということになるでしょう。
それによってお母様は怒り狂うかもしれませんが、

このままでは自殺しかねないのです。

という状況では、質問者自身の病状の改善を優先すべきでしょう。

(2018.1.5.)

05. 1月 2018 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症, 自殺