【3606】うつ病と説明されているのに診断書は統合失調症と書かれている
Q: 30代女性です。
私の病名について相談したいことがあります。
2年くらい前から、仕事に行くのがつらく、眠気が取れない、だるさ、文章を読んでも頭に入ってこない、過食が続き、体調を崩し、退職しました。
その後、精神科を受診したところ、脳全体の萎縮が見られ、約10年は経過していることを説明され、「そうなると、被害妄想的な、統合失調症のような症状がみられる」と言われたため、「私は、統合失調症ですか?」と聞くと、「幻聴や妄想はないので、あなたの場合はうつ病です。幻聴や妄想の有無で統合失調症かうつなのかが決まる」と説明されました。
ただ、診断書等をいただく際に、必ず病名が「統合失調症」として書かれるのです。
うつ病と説明されたにもかかわらず、統合失調症と診断されていることに疑問を感じるのです。
私は本当は統合失調症で、それを隠すためにうつ病と言われたのでしょうか?
もし本当にうつなのであれば、統合失調症という診断をされるのはあまりいい気分ではありません。
診断通り、妄想、幻聴もありません。
私は統合失調症なのでしょうか?それともうつ病なのでしょうか?
私の病名を教えてください。
林:
ただ、診断書等をいただく際に、必ず病名が「統合失調症」として書かれるのです。
うつ病と説明されたにもかかわらず、統合失調症と診断されていることに疑問を感じるのです。
当然の疑問だと思います。
私は本当は統合失調症で、それを隠すためにうつ病と言われたのでしょうか?
一般的には「本当は統合失調症で、それを隠すためにうつ病と言われた」ということはあり得ます。けれどもこのケースでそうであると積極的に考える根拠はありません。診断書を書いた先生にお聞きください。
診断通り、妄想、幻聴もありません。
妄想、幻聴の有無は、本人の言葉だけからは判断できません。
脳全体の萎縮が見られ、約10年は経過していることを説明され、「そうなると、被害妄想的な、統合失調症のような症状がみられる」と言われたため、
その説明は誤りです。統合失調症では確かにわずかに脳萎縮が見られる場合がありますが、30代の質問者に、普通に行うCTやMRIで脳全体の萎縮が本当に見られるとすれば、もしそれが本当なら別の病気を考える必要があります。
「私は、統合失調症ですか?」と聞くと、「幻聴や妄想はないので、あなたの場合はうつ病です。幻聴や妄想の有無で統合失調症かうつなのかが決まる」と説明されました。
その説明は厳密には誤りですが、日常臨床での医師から患者への説明としては大きな誤りとは言えません。
私は統合失調症なのでしょうか?それともうつ病なのでしょうか?
わかりません。このメールに書かれている症状だけだとすれば、統合失調症と診断する根拠はありませんが、先に述べたとおり、幻聴や妄想の有無は本人の言葉だけから判断することはできません。
(2018.1.5.)