【3302】元同僚からのストーカー被害に遭うことを危惧しています

Q: 半年以上も前に離れた同じ職場にいた交際相手、と言っても私(現在29歳)にとっては話し相手でしかなかった彼(現在26歳。Aとします)について悩んでいます。彼の妄想と現実を混同する事や粘着質、分刻みに変わる感情の変化、攻撃的な行動、顔を痙攣させながら独り言を言ったり、人を傷つけても自分のする事は全て正しく「俺様」な態度、奇妙を通り越して変態的興味。人妻と近親相姦に憧れ、自分で話し出しながら興奮する・・・(それを異常・変態と呼ぶのはいけない事でしょうか?)私がウンザリして離れようとすると「自殺してやる」と脅したり。嫌気がさした私は、同じ職場で顔は会わせてもプライベートでは接しないようにしていたのですが、同時にAは苛立ちがエスカレート。ある日彼の苛立ちは爆発し、職場内で傷害事件、一歩間違えば傷害どころか殺人になっていた問題を起こしました。それまでも何をしようと謝るという事は一度もしなかったAですが、その時も、それ以降も謝罪はなし。そして彼は就職活動を理由に会社を辞め、早々に採用されたのが割と大手の警備会社でした。「こういう人が危険から人々を守る警備員になれる世の中、狂ってる」、私はそう思いました。それに私にとっては彼との事を終わらせる日は、Aにとっては「始まりの日」でした。暴力・罵声を浴びせる対象の私と結婚するつもりでいたのです。彼の話し方からすると、まるであたかも結婚を約束した仲睦まじい恋人であったかのようでした。私がムチウチ用のギプスをしているのに、何故そうなったかも考えず、とにかく自分のいいように物事を考える人でした。
私はAを振りきって逃れた訳ですが、彼の性質を考えると、いつか私に復讐めいた事をしてくるのではないか、又、Aの奇妙な行動を調べると、あらゆる人格障害にほぼ当てはまってしまうのに驚き、ストーカー行為をいつかするのではないかと疑うようになり、身辺を警戒するように今でも心掛けています。でも私は医者ではないので病名は断言できませんでした。
しかし、最近こういった事で被害を受けた人達の体験談や、それについての本を読み、そのセラピストでもある著者B氏に感想を含め、私も体験者であり、もしかしたら彼に何かされるのではと今も警戒している事など細かに文章にしてメールを送った所、翌日B氏から返事があり、まだハッキリとは言えないけれど彼は統合失調症の質を持っているかもしれない。同時に自己愛性・妄想性、しかも酷い境界性人格障害だろう、というものでした。それにそういう人は年月が経とうとも、来る時は来る(ストーキングや他の犯罪)、今来ないのは本人の都合であって、思い立ったら来る事が多い・・・体験者であるB氏の言葉は真実味がありました。それに警備会社は法律で精神障害を持つ者の雇用は認められないとある事も聞きました。私はその返事を見る前から既に「そうなのではないか」と疑っていた訳ですが、実際専門家から言われて「やっぱり」と思ったのと同時に今まで以上の恐怖感が出てきてしまいました。B氏は、こういった被害にあった人達、加害者の人達のカウンセリングもしている人です。また、被害に遭う可能性のある人達の警備や、解決に導くための段取り(カウンセリング・専属警備会社・司法、弁護士とのコネクション)をする会社を経営しています。B氏本人は私に会いたい、更に詳しく話し合って解決するように力になりたいと言って下さっています。私もできる事なら、と思いますが、それを家族に相談したところ、私が神経質になり過ぎだ、「事」が起こってからじゃないと家族も警察も動かない、と言うのです。では、次の事を待っていろと言うのでしょうか。彼が本当に何をしでかすか分からない人なのに、「何もしないかもしれない」という言葉の「かも(仮定)」に怯えなければならないのでしょうか。これでは私の精神状態が参ってしまいそうです。

 

林: 確かにAさんは何らかの人格障害(パーソナリティ障害)でしょう。しかしB氏を頼りにするのは疑問です。

それにそういう人は年月が経とうとも、来る時は来る(ストーキングや他の犯罪)

これがB氏の見解とのことですが、いくら体験者だからといってそんなことまでわかるはずがありません。「来るかもしれないし、来ないかもしれない」が正解でしょう。
もちろん、被害に遭うかもしれない当事者としては、「来るかもしれない」以上は、不安に思い、何らかの対策を取りたいとお考えになることは理解できるところです。しかしこのような場合、実際に対策を取るかどうかは、「来るかもしれない」だけではなく、その可能性がどのくらいあるかが問題です。この【3302】のケースでは、別れた後にAさんに何か具体的な行動が見られたわけではなく、そのような状況で防御の方策を取る必要があると考えるのは無理があります。

B氏は、こういった被害にあった人達、加害者の人達のカウンセリングもしている人です。また、被害に遭う可能性のある人達の警備や、解決に導くための段取り(カウンセリング・専属警備会社・司法、弁護士とのコネクション)をする会社を経営しています。

ということから考えると、B氏がセールス目的で

B氏本人は私に会いたい、更に詳しく話し合って解決するように力になりたいと言って下さっています。

と申し出ている可能性を充分に留意すべきでしょう。

もちろんこれは、メールの文面からだけに基づく回答にすぎません。質問者はB氏に、より詳しい内容をお伝えしており、その内容からすれば、直ちに防御の方策を立てる必要があるという判断になるのかもしれません。
しかし仮にそうだしても、上記回答は心に留めておくことをお勧めします。困窮や不安につけこんだ商売は世の中にたくさんあるものです。

(2016.10.5.)

05. 10月 2016 by Hayashi
カテゴリー: パーソナリティ障害, 精神科Q&A