【3363】境界性人格障害ではないかと思われる隣人に困り果てています
Q: 私は40代女性です。対応にほとほと困っています。こちらがいずれ精神的に病んでしまうのではないかという心配もあり、ご相談させていただきました。7年前に今の住居を構えたのですが、2年ほど前にご主人が家を出られてから(隣人の病気が原因だそうです)、我が家に色々な攻撃をして今に至ります。
・ 私の子供(小学生)の運動靴を学校内の下足箱から5回盗む。しかもその中にはウチの子供の卒業式の最中に校内に自転車で侵入して盗むといった卑劣な行動もあります。
・ 私の車のタイヤ4本をパンクさせ、ボディ前面にキズをつける行為をした。・私の庭にある物置の扉3枚にキズをつける。
・ 私の家の庭と玄関のあらゆる植栽に除草剤をかけ、枯らせる。
・ 自分の家に飛んできたゴミ等を私の家に投げ入れる。
・ 私が隣人の家の前を通る時間帯に意味不明ではあるが、家の前にチェーンを張っている。
ざっと挙げてもこのような行為がありますが、警察からのアドバイスで防犯カメラを設置する前の事件や、学校内での事件に関しては、証拠不十分なものもあります。2年前に出て行かれたご主人に会って話をする機会があり、事実を伝えたところ「多分ウチがやっただろう」とのことでした。「15年前に長男を出産してから急変した」というこの隣人は、なんと私の家が建つ前にその土地に住んでいたご主人のご両親と妹さんをも嫌がらせで追い出してしまったということです。 「隣がうらやましい」「妬ましい」という気持ちが常にあったようで、どこで住んでも隣人とはトラブルになったようです。 治療、入院、通院歴もあるようですが、今はご主人とは離婚調停中で協力いただける状態にありません。実家のご両親は父親では手に負えないということで、母親がたびたび様子を見に来ていたのですが、その母親が3ヶ月ほど前に急死されました。 現在は子供2人との3人で隣に住んでいるのですが、何かと私の家に対しては敏感に反応し、嫌がらせとも取れる行為に発展します。一度ゴミを私の家のポストに入れたのを見たときに注意したら、意味不明な暴言を30分ぐらい吐き続けて、非常に興奮した感じでした。そのあと暗くなってから、私の家の玄関先の植栽に除草剤をまきに来ています。(防犯カメラに写っています) 警察にも相談したのですが、精神障害者だということで(巷では結構有名で、過去に対人トラブル多数あり)事件を立件するまでには行かないし、たとえ立件しても解決にならないので、何とかして家族と本人に病院に行くようにするしかない。ということでした。家族はもう手の尽くしようがないといったところです。ご主人も同様で、自分が離婚するために何か事件でもおこしてくれれば・・・とさえ思っている始末です。 本人に病識がない上に、隣人の私たちに対しての異常なまでの執着と攻撃が本人の正当性ももとで行われている事実を、これ以上受け入れる気持ちになれません。本当に辛く不安な毎日を送っています。家族の中での母としての私の役割が、元気で明るくいることだと思っているので、家族に不安を与えないよう何があっても笑い飛ばして気にしないように言っていますが、もう限界です。 保健所にも相談しましたが、やはり本人がカウンセリングなどを受ける気にならないと治療には結びつかないといわれました。警察には、何かあったら110番通報してくださいとだけです。 解決の糸口すら見つかりません。持ち家なので転居するわけにもいかず辛いです。 もうすぐ来るであろう隣人の更年期や子供の独立による孤独感を感じたときに、矛先が隣の我が家にさらに向いたりするのでしょうか? こういった人達の行く末(結末)はどのような展開が予測されるのでしょうか? 安心して私たちが生活できる日はくるのでしょうか? 不安で不安でたまりません。何かいいアドバイスをお待ちしております。
林: この隣人の方は何らかの精神障害に罹患していると思われますが、質問者がおっしゃる病名である境界性人格障害であると考える根拠は乏しいです。むしろ統合失調症の可能性が高いと言えます。
このような経過の場合、
一度ゴミを私の家のポストに入れたのを見たときに注意したら、意味不明な暴言を30分ぐらい吐き続けて、非常に興奮した感じでした。
↑この「意味不明な暴言」が具体的にどのようなものであったかが診断上は重要です。
しかし診断が何であるかはともかくとして、これは警察が対応すべきケースです。
現実に
・ 私の子供(小学生)の運動靴を学校内の下足箱から5回盗む。しかもその中にはウチの子供の卒業式の最中に校内に自転車で侵入して盗むといった卑劣な行動もあります。
・ 私の車のタイヤ4本をパンクさせ、ボディ前面にキズをつける行為をした。
・ 私の庭にある物置の扉3枚にキズをつける。
・ 私の家の庭と玄関のあらゆる植栽に除草剤をかけ、枯らせる。
こうした物的被害が出ていて、その中の少なくとも一部は防犯カメラの映像という証拠があるわけですから、警察は通報されれば対応する義務があります。
警察にも相談したのですが、精神障害者だということで(巷では結構有名で、過去に対人トラブル多数あり)事件を立件するまでには行かないし、たとえ立件しても解決にならないので、何とかして家族と本人に病院に行くようにするしかない。
警察のこの説明は不合理です。結果として解決になるかどうかは別として、被害が現にあり、被害者が通報している以上、結果がどうなるかの予測に基づいて動かないというのは警察の取るべき選択ではありません。解決にならないというのはその警察官の勝手な予測にすぎません。精神障害者だからどうすることもできないという説明は、かえって精神障害者に対する差別や嫌悪を生み増強させるもので、到底受け入れがたいものです。
それに、そもそも、解決にならないという勝手な予測は間違っています。
なぜなら
事件を立件するまでには行かないし、
それはわかりません。精神障害者の行為だから立件まで行かないなどということはありません。「立件まで行かないことがある」という表現なら正しいですが。
たとえ立件しても解決にならないので、
それもわかりません。無罪になり、放免になれば解決になりませんが、無罪になるとは限らず、無罪になったとしても精神保健福祉法に基づき措置入院になる可能性があります。したがって最初から何もせずに「立件できない、立件しても解決にならない」などと予測するのは誤りです。
何とかして家族と本人に病院に行くようにするしかない。
それが最善であるのは誰もが認めることですが、現実にはそれができない状況で、かつ、現実に物的被害が発生しているのですから、これは警察に対応していただくべき状況です。
(2017.2.5.)