【3219】発達障害と診断された私の症状です

Q: 私は半年ほど前に広汎性発達障害と診断された20代後半女性です。

以前から生き辛さを感じており、原因を考察する中でこちらのQ&Aと出会い、似た症状の方の体験を拝見する事でお医者様にかかる勇気が持てました。
有意義なサイトをありがとうございます。
最近やっと自覚も芽生え、自意識にがんじがらめに絡まっていた糸を一つ一つ解いているような、ストレートな気持ちです。

4年程前に、職場で仕事がうまく出来ず自己不全感から気が滅入り、辛くて心療内科を転々としていました。
その当時は無知でありましたので、発達障害も知らず、自分がそうとは夢にも思わずでしたが1件のお医者様に「もしかしたら発達障害かもしれない」と推察され、心理療法センターを紹介されました。
そちらのセンターではバウムテスト、ロールシャッハテスト、算数数ページのプリント、親への聞き取りの元、「AC寄り、抑圧の傾向があるが発達障害や人格障害ではない」と診断されました。

発達障害ではないと言われ(障害なんて途方もないもの受け入れられないし偏見もあったので)ほっとしたのですがしかし原因不明の自己不全感は続き気分が浮き沈みする毎日でした。
その後4年ほど苦しみは続き、ネットでADHD診断なんてものをよく見かけるようになった時軽い気持ちで診断したのですがほとんどすべてに当てはまり、この時初めて発達障害かもしれないと思うようになりました。
それからネットの海をさまよい、こちらのQ&Aを見て、受診を決断しました。
診断して頂いた病院ではWAIS-Ⅲ、ロールシャッハ、欲求不満テスト、自閉症スペクトラム指数診断?を受け、その結果から広汎性発達障害と診断が下りました。
ただ、2件目の医院では親への聞き取り及び通知表等幼少期の記録が無く、自己申告のみだったのですが、
親への聞き取りが重視されるという話も聞きますのでこれは本当に信用していいのか?とも思っていました。
(今は実際発達障害であうが無かろうが、発達障害と同じ症状に悩んでいるので本質は病名やカテゴライズではないと思っています。)

現在自分にある症状(というか、困っている事/後述します。)を加味すると発達障害と位置付けるのが妥当だと思うのですが、この症状に「困っている」という明確な自覚ですら、つい1年ほど前に芽生えたものです。
物心ついたころからそうであったので、当たり前として生活していたので当然なのですが。。。
発達障害や自閉症スペクトラムであるとそういった自分が困っている事にすら鈍感なものなのでしょうか?
又、それまでは自分の行動や言動を抑圧する事で人に迷惑をかけないよう生きていたのですがそういったコントロールが出来るということは考えられるのでしょうか?
(出来ないから障害のような気も…)
いや、コントロール出来てた気になってただけで本当はできておらず人付き合いをしない事でトラブルを避けていただけかもしれないです。

今は、自己評価がものすごく低く卑屈で0か100かの両端思考なのでその辺りの認知のゆがみを正すべくしばらく通院を続けようと思っています。

もしこの体験が他のまだ自分の特性に気付かず苦しんでいる同じ性質の人の気づきなれば幸いです。
ありがとうございました。

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いったん終わりです。
以下、医院にも提出した自分の特性をまとめたものです。口頭だと何も言えなくなるので文章にしました。
この中にもし、特徴的な症状があるようでしたら、他の誰かのために載せて下さい。

WAIS-Ⅲで全IQ83(言語性90、動作性76)でした。

数字
・数字の計算が苦手(2ケタになると足し算、引き算でも出来ない)
掛け算は九九の範囲のみ可能。割り算は割り切れる数のみ可能。
・1m=100cmなど、単位の変換ができない。関連性が理解できない。
・数を数えられない。形が同じものや同じ分類に属しているものの数を数えるのが困難
何がいくつあった等の集計もできない。数が多くなるほど誤差が生じてしまう。
集計するたびに違う数字が表示されるので、集計の回数を多くして一番多く導き出された合計を正解としている。
・電卓を使っても間違える(押し間違えているのかなんなのかは不明、とにかく間違える)
・電話番号を覚えられない、間違った番号を覚えている又はプッシュ間違いによる間違い電話を掛ける
・4ケタを超え、いろんな違う数字が並んでいるとゴチャゴチャして視え脳が拒否する。法則性があればわかる。
・お金の管理ができない。金銭感覚がわからない。誤差範囲が大きい。

文字
・文章の読み書きは問題ないが、自分で書いた文字の認識が出来づらい。
自分で書いた文章は文字ではなく塊にしか見えないので、じっくり集中して読まないと 意味を理解できない。メモ、附箋が生きない。
・視覚的なインプット(文章、図)があれば理解が速い。
・言葉や漢字、文章へのこだわりが強い。気持ち悪い文章を見ると自分だったらこう書くのにとそればかり考えてしまう
語彙が豊富になっていくことに喜びを感じる。子供のころは図鑑より国語辞典を読んでいた。
・メールや文章では多弁(文や言葉が多い)
・会話よりも文章でのやり取りのほうが、よく考えて自分の考えを発信できる分、トラブルが少なく、自分の言いたいことが的確に伝わる気がする

聴覚
・人や雑音が多い場所での会話は困難。聞こえていないというよりは周りに集中がいってしまって聞いてない感じ。
又、何と言ったのか聞き直すのも面倒なのでだいたいは笑ってごまかしている
・雑音ばかり聞こえて耳が開いている感じがする。いつもうるさい。
・聞き間違いが多い。音が似ている言葉を聞き間違えるので何と言ったのか
前後の会話から推察する為疲れる。
・長い話だと本当はあまり内容を聞いてないが、相槌を打ったりして聞いているフリをしてしまう。
・雷等、大きな音が苦手で周囲の人より驚いてしまう
・口頭での指示は、よく集中して聞き漏らしがないように意識しないと聞けない。それでもほかの事が頭をよぎって聞いてないこともある
・電話で「○○会社の(名前)です(以下要件)」と言われても必ず何かを聞き漏らしている。
・雑音や周囲の会話は割と聴いているが、自分に言われた事は言葉の意味が理解できない事がある。

会話
・会話が苦手。こういう質問にはこう返すというパターンがある場合は会話可能。
話すときは一度頭の中で話すことを決め、組み立ててからカンペを読む要領で話す。
・表情から感情が読み取れない。相手が何を考えて言ってるのかわからなくて怖い。
・アドリブに弱い。まくしたてるように(感じるように)言われたり予期していない事を言われると頭が真っ白になり返答できなくなる。
・最近どう?などと聞かれるとどうって何が?と反射的に返してしまう又は無言になる。何が聞きたいのかわからずイラっとする
・うるさい場所、大勢の人が話している場所で声が通らない。タイミングが掴めない+適性な声量がわからない。
だいたいいつも聞き漏らし、相手にも聞こえてない。
・心の準備ができていない状態で話しかけられると頭が真っ白になる。何を言えばいいのかわからないのでえーやあー等で間を持たせる事もある
・頭の中ではたくさんの事を考えていて語彙も豊富な自覚があり、いつも言葉があふれているのに、自分の口から言葉にアウトプットできるのが少なすぎる。
・会話の中では語彙力が貧困。
「業務内で使用頻度が高く一番在庫枚数の多い立方体の商品」の事が咄嗟に形容できず、「普通のやつ」等と言ってしまったりする
・以前、ものすごい早口だと指摘されて以来、ゆっくり話すのを心掛けている。

記憶
・日常の中で、決まっていないこと(パターンになっていないイレギュラーな事)をすぐ忘れる
・昨日話した事(自分にとって重大な事であっても)ほとんど覚えてない。
文章に残っていない事は覚えられない。
・会話や口頭での指示は思い出せないが、文章や緊張のない状態で自分が体験した事は覚えていることも多い。
・緊張していると覚えられない、覚えても忘れる
・月、日付の感覚が希薄で今日昨日明日が何月何日なのかわからない。朝のニュースや朝礼等で確認してもすぐに忘れる。
(仕事で日付を書くことが多いが、すぐ忘れるor間違えて記帳するのでミスになる)

仕事
・転記が苦手でまったく同じ数字を違う紙に書き写すという単純な作業でも間違える。
・自分が棚卸、在庫管理した箇所は必ず、年度末に差異が発生し、原因は単純な計算間違い。
・やらなくてはいけないことを後回しする。やりたくないので期限ギリギリまで手を付けず放置してしまう。
・1から10まで指示されなかった場合、ある程度は考えて動くものの合っているか不安、指示の判断ミスがある。
・口頭での指示がわかりづらい。集中して聴いて理解するが集中できないときも多々
理解できないときは言葉を覚えておいて、気持ちが落ち着いてから言葉を理解出来るまで復唱する
・わかっていないことでもそれ以上の会話やコミュニケーションを図りたくないのではい、わかったと言ってしまう。
後々文章で確認できる事なら後で再確認するので困らないが、口頭のみであった場合は困る
・集中すべき場面であっても頭に違う思考がわいてきて止まらない。集中力出来ない事が多い。
・出来ないことのほうが多いが、出来ないために構われるのが嫌なので、できているという顔をしてしまう。
・1から順番に連続した番号を書き間違える。(3を二回書いてずれていったり、番号が欠けたり)
・検体に表示されている賞味期限を書き間違える。
・3ケタ程度の数字でも数字を入れ替えて書いてしまう645→654等
・検体の検査項目を一覧表から正しく拾い出せず間違える。確認不足であるが、まず確認するという作業を忘れる。
外部の会社へ報告書を提出する事も多いので間違いが多い=信用を無くすと言われプレッシャーを感じるが出来ない。
・自分が仕事が出来ないことで先輩や後輩から呆れられ、嫌われていると思う
(が笑って他愛もない話をすることもありもしかしてそうでもないのかとも)

運動
・チーム競技はチームワークが取れないためできない
・個人競技も適切な動きがわからないためできない。やっても出来ておらず笑われるので恥ずかしい。
・自分で開けたドアに挟まる、何もないところでつまずく、机のカドにぶつかる
・走り高跳びや大縄跳び、ハードル跳びなど、タイミングを必要とするものが出来ない(リズム感がない)
・貧乏ゆすりが多い。会議中などずっと座っていると足をもぞもぞさせている。
・手先が不器用。雑だといわれる。

時間感覚
・年号、日付の感覚が曖昧。今が西暦何年の何月なのか何日なのかわからない。
平成と西暦の数字が近いので今が2017年だったような気もしてくるし、月も1,2月の誤差で間違える。
落ち着いてカレンダーを見てわかるが、その感覚は持続しないので一日に何度も今日が何月何日なのかわからなくなる
・今日が何日だから○日まで何週間あるとかはカレンダーを見ないとわかない。
・何時から何時間後などの時間の計算ができない。時計を見ながら指を折ればできるが自信がなく何度も確認する
・時間の配分も苦手。出かける日は準備が遅くだいたい遅刻している。
・遅刻しても10分以内は誤差範囲等、マイルールがある。
・締切日=提出する日だと思っているふしがある。
・人の誕生日や年齢を覚えられない。(誕生日のお祝いもよく理解できない)
・計画性が無い。計画を立ててもその通りに実行できない。

対人
・人の顔が認識できない。髪型、体型、服装等顔以外の部分で判別しているので人の多い場所などではわからない。
特に一度しか会わない人は覚える気もないのかまったくわからない。
・あまり目を視て会話ができない。(のど元を見るといいと教わったが、人を見るのがそもそも嫌な気持ち)
・人と会う、話すことにストレスを感じるときは手を触ったり引っ掻いたりして部屋の隅や空を見てしまう。
・人と話していると手を引っ掻いたり、空を見たりしてしまう。
・人と会った後等、不安を感じると部屋が怖く感じたり、いない人の気配を感じたりする。
・一人でできることでも人が見ていると途端にできなくなる。
・一人でいるのが好き。しゃべらない事は苦痛ではない。
・人との会話に割り込んだりできない、雑音の多い場所で自分の声が通らない。

その他
・いつも体のどこかが痒くていつもどこかしらを掻いてる。
・喉に痰が詰まっている感じがする(痰では無いのかもしれないが)異物感?(正直異物感をよくわかってません)
・飽きっぽい、疲れやすい。疲れたり嫌だと思うと強烈な睡魔が襲ってくる、だいたいいつも眠い。
・一度に二つの事が出来づらい。人に見られていると特にできない。ストレス(対人)がない状態であれば出来る。
・食べこぼしが多い。ほぼ毎食時、服や机に食べこぼす。
・ぼーっとしているときがある。どこともない一点を見つめたまま時間が経過している。
・部屋の隅や角などが落ち着く。
・鏡を見るのが怖い
・ドラマなどを見ていて、表情から感情を読み取れない、行動、言葉の意味も分からないので理解しようと必死に観ていると疲れて眠くなる。
・片づけが出来ない。整理整頓が苦手でいつも散らかっている。
・洗い物をすると、服や床まで汚してしまう
・左右がわかりにくい。視力検査は指で方向を示す。
自動車運転中は足が切り離された感じがして、さらにアクセルとブレーキもわからなくなる。
・脳内で音楽が再生されたり、周囲の有線等のBGMにそれにつられて鼻歌を歌いはじめる
・力が加減しづらい。シーンごとの適切な力の量がわからない
・戸棚に物をしまうと、何を持っていたのかわからなくなるので戸棚を全開放したい。キッチンで顕著。

過去
・我慢強く、母の言ういい子にしているように自分を押さえつけていた
・貧乏ゆすりが止まらず、よく怒られていた。やめると机をコツコツ叩いたりする
・児童が騒ぎ、教室内がうるさかったとき、教師に「うるさい」と席を立ち3回ほど言いに行ったことがある
・友達から「君と遊んではいけないと親に言われた」と言われて遊んでくれなくなった
・食事が遅く、幼児期等はお昼寝の時間になっても一人残って食べさせられていた。
給食を時間内に食べきったことがない。今でも食事は遅い
・運動が苦手で、できない理由=やる気がないと判断されいじめにあう。
・他人の身体的特徴やコンプレックスなどを指摘し泣かせる事が多々あった。
罪悪感は感じず、事実を事実のまま言っただけなのに…と不満だった。
・みんなが知っているアイドルや歌手などの話題についていけなかった。
顔の見分けもつかないし興味もわかなかった、なぜ騒いでいるのかわからなかった。
・理由がわからなかったがよくいじめにあった。
・焼き魚の赤身部分が好きで焼き魚は赤身しか食なかった
・心がない感じがする。もしかしたら家族の死でも泣けないのではないかと不安がある。
・自分がいじめられた記憶など、10年以上前の事でも非常に根に持っていて、機会があるなら復讐したい。
・喉に引っかかる感じが怖くて、錠剤が飲みこめず口の中で溶けて嫌な思いを何度もした。
今でも喉が狭い感じがする日は飲みこめない。(口で溶けるので吐き出す)
・粉薬は、苦味が鼻に抜ける感じが気持ち悪く嘔吐した事があるので怖くて飲めない。オブラートに包むと大きくなって喉が詰まるので飲みこめない。

過去の精神状態(過去ほど強くないが現在もある)
・人(親を含む他人)に殺される、核戦争が始まる、電車が脱線する、見張られている、盗聴被害、盗撮被害等、被害妄想が過敏だった。
・笑い声が自分に対する嘲笑であると感じていた。陰口をたたかれていると感じていた。
今ではありえないとは思いながらも、若い女の笑い声が特に怖い、カメラを向けられると盗撮されていると感じる
・誰からも好かれておらずみんなから嫌われていると感じていた(実際いじめもあったので好かれてはいなかったように思う)
・常に不安感があり、不安感が強い日は20歳を超えても一人でお風呂に入れない日がある。
・死ぬことへの具体的な不安感(ガンで寿命宣告され死ぬ夢をみる等、イメージしやすい形で死がつきまとい、死ぬことが怖い)
・生きていることへの罪悪感(過去を含め世の中ではたくさんの人が死んでいるのに自分は生きているという気持ち)
・現実感がなく、手や鏡に映る自分が自分ではないような感覚が長く続いていた

覚えている範囲での気分の波
・    10代の頃、すべてが嫌になり死にたい死にたいとそればかり考えていたことがあった。
・    同じく10代の頃、専門学校に通っていたが数字に弱すぎたため「こんな馬鹿なのに仕事になるわけない」と思い詰め学校を辞めたいと母に進言した。
・20代半ば、何とか就職した会社であったが後輩よりも出来が悪い自分に嫌気がさし、退職した。
退職したものの、再就職した仕事が接客で、人の顔を覚えられない、アドリブがきかない、カンペ、マニュアル通りにしか話せない等自己不全に悩む
・その後再就職し、今に至るも、後輩より出来が悪い現実は変わっておらず、気落ちしている。

 

林: とても詳細に症状をお知らせいただきありがとうございました。自閉スペクトラム症(発達障害)で間違いないと思います。最初に受診したセンターで、なぜ発達障害ではないと診断されたかは不明ですが、今は正しく診断されてよかったと思います。今後、ご自分の状態を冷静に直視したうえで、社会にうまく適応し、幸福に生きていかれることを願っています。

(2016.6.5.)

05. 6月 2016 by Hayashi
カテゴリー: 発達障害, 精神科Q&A