【3394】統合失調症の治療を受けましたが、人の話が理解できません
Q: 20代女性、統合失調症と診断されて一年半の者です。二年前の二月ごろから仕事のストレスで精神的に不安定になり、だんだんと頭の中に他人の考えが入ってくると感じるようになりました。そして、日を追うごとに他人の考えが頭に入ってくる回数は増えていきました。三月ごろには自分の考えが他人に漏れていると感じるようになりました。また、現実感のない妄想が頭を支配するようになりました。四月になって妄想と現実の境が分からなくなり、家中の物を壊したり、幻聴と対話するようになって独り言や空笑いが増え、おかしいと感じた主人に連れられて精神科に通うようになりました。その後、精神科で出されたリスペリドンを飲み始めてから、徐々に症状は落ち着きましたが、耐えきれない眠気に襲われ、仕事を四か月休職しました。現在は職場に復帰していますが、以下の症状で仕事に支障をきたしており、大変悩んでいます。 1)人の話が聞き取れない。聞き間違いが多い。 2)人の話が理解できない。 3)本を読んでいても、内容が頭に入ってこない。 4)直前の記憶が飛ぶことがある。 精神科の先生は、病気は良くなってきているとおっしゃっています。しかし、これらは統合失調症の症状ではないでしょうか。もしくは薬の副作用でしょうか。
林: 1)から4)は、統合失調症の症状と薬の副作用の両方の要素があると思います。しかし症状の要因のほうが強いでしょう。幻聴や妄想に対しては、薬は比較的速やかに効くのが常ですが、1)から4)のような症状の回復は遅れるのが常です。すでに職場復帰されているとのこと、あせらずに治療を続けてください。副作用かもしれないと思って薬を減らしたりやめたりすれば、幻聴や妄想が再燃し、今度は職を失うことにもなりかねませんので、自己判断は厳に謹んでください。
(2017.4.5.)