【2807】独り言が多いのは精神病なのか?
Q: わたしは30代半ば女性です。一人暮らしで漫画家をしています。大学入学時より15年以上一人暮らしをしています。ここ数年はネットの発達により仕事はすべてオンラインで行っており、買い物や宅配便の受け取り等以外ではほとんど他人と会わず会話せず過ごしています。
私は昔から独り言が多く何度も親に注意されてきました。
独り言を注意されて我慢するのがとてもストレスでした。
でも独り言は他人に迷惑になると自覚していましたし我慢して生活していました。
それで子供の頃からあまり他人と接したくないと思っていたので、家で一人でできる仕事はないかと模索していて漫画家になりました。
漫画の仕事をしつつ時がたち、自分でも自覚していたのですが10数年の一人暮らしとほとんど他人と会わない生活により独り言が益々多くなりました。
仕事でうまくいかない時に声にだして発散したり、頭の中で想像したことを口に出したりしています。
ほぼ引きこもり生活ですが、金銭面や生活に関して不満や不安もなく、他人と接するのが昔からストレスだったので、他人とほとんど接しない現状に満足しています。
このまま結婚もせずに一人で生きていけるよう将来に備えて貯金などもしております。
昼夜逆転の不規則な生活ですが金銭的にも問題はなく、ひきこもりによくある汚部屋でもなく部屋も綺麗にしておりますし、自分としては今の状態は非常に快適で穏やかです。
ただ一年に2回ほど友人や家族が家に遊びに来るのですがその際の私の独り言が非常に奇妙に思うらしく「精神病ではないのか?」「病院に一度みてもらったほうがよい」としきりに言われるのです。
漫画のネタを呟いていると妄想のように思われるでしょうし、家の中にあるモノ(家具や食器や電化製品など)に名前をつけてペットのように話かけたりするのもおかしいのかもしれません。
というより自分でもおかしいと思うので一人で暮らしをしているのです。
他人に対して攻撃的な思想もありませんし、独り言で大声を出すこともなく普通に話す声の大きさです。
大声ではないのは家族や友人も証言してくれています。
ただ四六時中独り言を言っている状態なので心配されます、
家族や友人に心配されればされるほどそれがストレスになり益々誰にも会いたくなくなります。そうなると余計に心配されます。
ほとんど外出しないことも心配に拍車をかけるようです。
数少ない外出時はさすがに頭のおかしい人だと思われるでしょうし、他人に迷惑ですので、意識的に独り言を発しないように緊張して自重しています。
自分が昔から独り言が多くそれが他人に奇妙に思われるのも自覚していますし、他人と接触するのが苦手なので、迷惑をかけないように今の仕事や環境を努力して築いたのにそれを否定され矯正されるのはとても不快です。
私のことを心配してくれてるからこその意見だと思うのですが非常に辛くて悩んでいます。
その話を聴きたくないので最近は電話やメールも無視してしまい余計に心配されています。
最近では親はネットでの知識で私が統合失調症か発達障害なのではないかとしつこく言ってきます。
私は家族や友人の勧めどおり病院に行くべきでしょうか?
精神病などは本人が自覚していない場合が多いと林先生の他の解答でも読みましたが私は精神病なのでしょうか?
病院に行ってもし医師に精神病などと診断されれば今の生活を改めねばならないのでしょうか?
病気と判断されて今の生活を改めさせられるようなことがあるとそれこそ発狂してしまいそうです。
愚痴になってしまい申し訳ありませんがアドバイスをいただければ幸いです。
林: 独り言が多いだけで精神病であるとは言えません。
独り言が統合失調症の症状としてよく見られることは事実です。けれどもだからといって、独り言があるからといってそれだけで統合失調症(などの精神病)であるとは言えません。
メールの内容を見る限り、独り言以外に症状はなく、人との直接の接触が少ない生活を送っておられるとはいえ社会には十分に適応しておられますから、統合失調症であると推定する根拠はありません。
但し、
精神病などは本人が自覚していない場合が多い
これはその通りですので、友人やご家族が、質問者を精神病ではないかと疑う理由が具体的に何であるか、よくお聞きになることをお勧めします。本当に独り言だけが理由なのか。実はほかにも異常なことがたくさんあり、本人は気づいていないだけなのか。
これを確認し、やはり独り言だけが理由であれば、それだけで精神科受診は勧められません。
(2014.10.5.)