【2624】「愛」によって性的虐待の過去を乗り越えられました。 (【2373】のその後)

Q: 20代女性です。 【2356】性的虐待の過去と向き合うべきか、 【2373】 【2356】性的虐待の過去と向き合うべきか のその後です で質問させていただきました。お礼が言いたくてメールさせていただきました。あのときは温かいご回答ありがとうございます。あれから本当にいろいろありました。母と復縁し、子供をさずかりました。心の傷も少しずつ癒えてきました。産後ですが、産褥期精神病になり、入院しました。今は安定剤を少し飲む程度でもうすぐ完治です。林先生、生い立ちを乗り越えられました。本当に嬉しいです。なぜかはわかりませんが、ある日主人とケンカして仲直りしているときに「信じる」ということが初めて実感できたんです!同時に自己肯定感もやっと実感できたんです!どうして私が回復できたのか。それは「愛」でした。自己と他への愛。Mスコット・ペックさんのおっしゃられた、「愛」という意志のおかげだったんです。いまでも悪夢は見ます。でも大丈夫なんです。なぜなら、現実はもう安全で安心できる、満ち足りた現実だからです。入院中に知り合った女の子も性的虐待をうけていました。精神疾患。今は良いサポート体制も知識もお薬もあります。でも、一番は「愛」で快方に向かっていくものだと私は信じたいです。これからも、今ある幸福に目を向け、胸をはって生きていきたいです。私達すべての生きる人は、人生のサバイバーなのです。

 
林: 今この段階の状態については、「良かった」といっていいでしょう。
けれども、これはちょっと危ない雰囲気があります。このような満ち足り方は非現実的であり、「美しい夢」に近いものです。この後、またうつ状態が訪れる可能性も頭に入れ、慎重にお過ごしください。本当に良くなって安定するまでには、まだ波があるかもしれません。

(2014.4.5.)

05. 4月 2014 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 虐待