【2513】ひどい虚言をした彼
Q: 私は30代主婦で、夫と2人暮らしです。今はおだやかに暮らしているのですが、たまに以前の恋愛を思い出して、とても苦しい気持ちになります。夫と結婚するまえに、今から8年前につきあっていた男性(以下A)は、虚言ばかりの人間で、私だけでなく、ほかに4名以上の女性がだまされていました。虚言の内容ですが、
・ 妻とは離婚している(実際は結婚継続していました)
・ 離婚原因は妻の暴力(暴力の有無は不明です)
・ 子どもは妻によってコンドームに穴を開けられたからできた
・ 自分はうつ病で境界性パーソナリティ障害であり、父親はすい臓がんで母親は境界性パーソナリティ障害(うそでした)だから親には会わせられない・父親側の祖父の家をぜんぶ相続する予定(うそでした)
・ 仕事は某外資系エリート営業マン(派遣社員でした)・激務なので会社に泊まっている(うそでした)etc、です。
1つ1つは些細なうそだったり荒唐無稽なんですが、彼には真実が1点もなく、これらのうそだけの人生でした。私を含む女性たちにプロポーズをして、それを信じた数名は会社までやめてしまっていました。私は精神的打撃が大きく、仕事どころではなくなり、会社を辞めさせられました。結局、両家の親、ほかの女性を巻き込む大騒動になり、調停をして、慰謝料をもらってわかれました。明晰な弁護士さんの助けもあったので、私に悪い点はないということは証明されたと思います。 今Aがどこで何をしているか知りません。その後私は社会復帰して、夫と出会い、結婚しました。
質問は、私をだましたAは、なにかの精神病だったのでしょうかということです。Aは自分では、ひどい母親のせいで境界性パーソナリティ障害になったと言っていました。もう8年も前のことですが、今でも気になっています。
林: 虚言が目立つ精神疾患は存在しますが、このAさんについては、病的な虚言があるとまでしか言えないでしょう。境界性パーソナリティ障害の可能性を否定することはできませんし、
ひどい母親のせいで境界性パーソナリティ障害になった
このように自分の状態を親の責任であると主張するのは、境界性パーソナリティ障害に比較的よく見られる言動です。しかしもちろんそれだけで診断できるわけではありません。病的虚言者であるとまでしか言えないでしょう。
(2014.1.5.)