【4603】同時に真逆のことを考えてしまいます

Q: 現在高校2年の女です。
いつからかははっきりしないのですが、ここ数年、心の中で同時にまったく反対の感情を抱いてしまうことがあります。
自分が思ったことに対して自分自身が反論してくるような感じです。
どう思っているのが本当の自分なのか分からず、最近むなしい気持ちになることが多いです。

例を挙げると、
好きな歌手のライブに行き、「やっぱり歌がうまいな」と「下手くそだ」と同時に思う。
逆のパターンで、
電車、学校などで人が笑ったり話したりするのをみて「私を見て笑っている」「私とあの人たちは他人だ、そんなのは妄想だ」と同時に思う。
他にも、
同性の友達に異常なボディタッチをされていた時、実際にそうされている時は楽しい気分で「やめろよ」などと冗談交じりに言ったり、「この人に頼られている」といった仲間意識みたいなものを感じているが、トイレで1人になったり後から思い出したりすると「本当にやめて欲しい」と嫌な気持ちになる。
友達がお金ないけどジュース飲みたいと言った時、ごく自然に「じゃあ奢るよ」と言い、ジュースを買ってあげたのに、後から思い返すと「なんでジュース買うほどのお金もないんだよ」とイライラする…といったパターンもあります。その時は100%とは行かないまでも、善意で人になにかしてあげたり、自分が被害をこうむっても我慢したりするのに、後から憎悪が湧き上がってきます。(この友達は現在どちらも関わりがありません)

しかし、上と同じ歌手がCDを出す、という宣伝を見た時は「欲しいから予約しよう」という考えは浮かびますが、「こんなのは要らない」という考えは浮かびません。
実際にその歌手のことは5年近く応援していますし、いつも歌を聴いて元気を貰っていますし、大ファンと言っても過言ではないのに、心の中で矛盾した考えをする時があります。この線引きがよく分かりません。
また、人が笑っている時に自分が笑われていると考えてしまうのは被害妄想によくある事だとわかっているのに、自分が笑われているような感覚に陥ります。

私は中一の頃自律神経失調症になり、起立性低血圧の症状も出て、生理が始まったことも重なり、その時から情緒不安定になる事が多くなりました。
小学生までは明るいと自覚していた性格も、暗く内向的になったと感じています。恥ずかしながら受験勉強のストレスから自傷行為に走ったこともあります。
現在は環境が変わったこともあり、この悩みを除いては、割と平和に過ごしていると思います。
自律神経失調症のことは関係あるのでしょうか?
また、私のように同時に真逆のことを思ってしまうのは普通のことなのでしょうか?
心療内科にかかっていた時期もありましたが、学校に出す診断書のためだったのと、投薬治療を行わないスタイルでサプリばかり大量に飲むことや、面と向かって他人に自分の感じていることを正直に話すのが嫌で、行くのをすっぽかしてから通っていません。
まとまりのない長文で申し訳ありませんでした。

 

林: 「心の中で同時にまったく反対の感情を抱いてしまう」のは、両価性 アンビバレンス と呼ばれる、統合失調症に特有とされる症状です。ただし【4603】に「心の中で同時にまったく反対の感情を抱いてしまう」の例として書かれている内容は、両価性にはあたらないものが多いです。つまり健常者にもありうる内容が多いということです。したがって【4603】のケースが病的かどうかは判断困難です。

(2022.12.5.)

05. 12月 2022 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: , |