【4439】鎮痛剤が精神安定剤になっています
Q: 20代男性です。
私は転職したばかりで、仕事中はどうしようもない不安と孤独感で押し潰されそうな苦しい感じがずっとあって、とても辛いです。仕事以外で家にいるときもどうしようもない不安感と寂しさが混ざったような辛い感じがあります。仕事中は、もう働きたくない。仕事を辞めたい。という気持ちがあり苦しいです。家に居て次の日に仕事がある場合は、いろいろと嫌なことばかり考えてしまい、もう死んだら楽になるんじゃないかという気持ちになって飛び降り自殺をしてしまおうかと想像しますが怖いというのと、本当に死んでもいいのかなという気持ちもあってとても苦しいです。
そんな苦しいときに『スグナIB錠』という市販の鎮痛剤を飲んで少しする頃には、心が苦しかったのが嘘だったかのように、毎回心が楽になります。
そこで不安に思ったのですが、本来痛み止めが目的の薬を毎日心を安定させるために飲んでもいいのか。と思って質問させていただきました。
また、鎮痛剤が精神安定剤のような役割りをすることがあるのが不思議で疑問に思いました。
ちなみに、心療内科や精神科を受診したことはありません。
お手数をおかけしますが、回答していただきますと嬉しいです。よろしくお願い致します。
林:
本来痛み止めが目的の薬を毎日心を安定させるために飲んでもいいのか。
よくありません。直ちにやめてください。
鎮痛剤の中で、麻薬性のものについては依存性があることがよく知られていますが、非麻薬性の鎮痛剤でも依存性が現れることがあります。頻度は高くないので医学論文は少ないですが、現実には確かにそういうケースはあります。その大部分はこの【4439】の質問者のように、精神安定剤的な作用を自覚する場合、あるいは多幸感を求める場合です。この質問者が用いているスグナIBの主成分はイブプロフェンで、イブプロフェンが含まれている市販の鎮痛剤はたくさんあります。イブプロフェンが基本的に安全であるからこそ市販薬の多くに含まれているのですが、人によっては服用するとこの【4439】の質問者のような反応があり、依存症に陥ることがあります。それは広い意味では一種の特異体質といえますが、そういう人にとってはイブプロフェンは危険です。直ちに服用をやめてください。
(2022.1.5.)