【4403】境界性パーソナリティ障害と診断されています。解離の治療はどうしたらいいのでしょうか。

Q: 20代女性です。私は境界性パーソナリティ障害と診断されています。最近の1ヶ月くらいで、解離が見られるようになってきました。自分では全く覚えていないのですが、ぬいぐるみに話しかけたり、歌をうたったり、子どもに戻ったような行動をしているようです。一緒に住んでいるパートナーの証言です。 基本的には、うつ状態で、アモキサンを1日100mg(朝、昼、晩、寝る前)飲んでいます。でも、虚しさや、不安は解消されず、薬の効果はないようです。不安時の頓服に、リスペリドン2mg液体をもらっていますが、それを飲んでも、何も代わりません。不眠症も抱えており、ベゲタミンA、ベゲタミンB、ロヒプノール2㎎、マイスリー、ハルシオン25㎎×2、ゾピクロン10mgを毎晩飲んでいますが、寝つきも悪く、途中で覚醒してしまいます。 いつも、虚しく、不安で、自分の存在が認められず、パートナーに必要とされることで、生きていると実感できます。リストカットもしています。自分の血を見ると落ち着くからです。パートナーのことは大好きなのですが、突然、そのパートナーに対して、イライラして、ひとりで怒っているという状況があります。パートナーの存在で助けられているのに、パートナーにイラつく。あと、時間の感覚がよくわからず、行っては戻りという、よくわからない状況の中にいます。 摂食障害も出ていて、現在163cm、40㎏です。食べて、吐いて、スッキリするから、吐くという感じです。 あと、電車に乗るのが恐くて、人の声や、携帯のボタンを押す音などが、耳の中に、頭の中に入ってきて、それがうるさいのです。ひとりで外出するのは難しいです。 3ヶ月前に友達が自殺し、その友達が、最近、私の部屋に現れます。部屋の隅で、じっと座って、私を見ています。幻覚でしょうか? 解離の治療はどうしたらいいのでしょうか?

 

林: 解離境界性パーソナリティ障害にしばしば伴う症状です。その他、このメールに書かれている幻覚や摂食障害もしばしば伴います。ご質問の解離の治療については、解離を単独で取り出してその治療をと考えるのではなく、境界性パーソナリティ障害の治療による改善を目指すというのが正しい考え方です。このメールには薬物療法のことしか記載されていませんが、それ以外の治療は受けておられるのでしょうか。境界性パーソナリティ障害は薬だけでは改善はあまり期待できません。

(2021.10.5.)

05. 10月 2021 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 解離性障害