【4199】過去に精神障害と診断された場合の人生設計
Q: 20代女性です。
8年前に統合失調症と診断され、6年通院治療を行い、その間2回くらい自殺企図から入院したこともありますが現在は比較的健常者のように穏やかに暮らしています。
2年前に潰れる心配がほぼない企業に新卒で就職し、都内で一人暮らし中です。
生活が安定するにつれ、今後の人生について色々考える機会が増えてまいりました。結婚や転職によるキャリアアップ、不動産購入などです。
健常者であれば上記について検討するのは当然のことと言えますが、私の場合は過去に統合失調症と診断され、さらに転居によって転院した先の主治医には双極性障害を疑われたような状況です。
ここで次のような不安が生まれました。
恋人と結婚しようとか、転職しようとか、中古マンションを買おうかななどと検討するのは統合失調症(双極性障害?)の症状に影響されているのではないか?
というものです。
いつまでも人生設計を立てられないというのもそれはそれで困りますが、症状に影響されて一時的な衝動にまかせて中古マンションを買ってしまったりすれば、取り返しのつかないことになります。
何か重大な決断は、精神が不安定な時はしてはならないと一般に言いますが過去に精神障害者であった(というか恐らく今もですが)場合、重大な決断をしてもいいかどうかの見極めはどのようにすれば宜しいでしょうか?
結構悩んでおりますので、宜しくお願い致します。
林:
症状に影響されて一時的な衝動にまかせて中古マンションを買ってしまったりすれば、取り返しのつかないことになります。
そういう事態はありうることです。質問者の慎重で適切な姿勢が読み取れます。
何か重大な決断は、精神が不安定な時はしてはならないと一般に言いますが
その通りです。
過去に精神障害者であった(というか恐らく今もですが)場合、重大な決断をしてもいいかどうかの見極めはどのようにすれば宜しいでしょうか?
そのように慎重にお考えになっているということ自体が、重大な決断をしてもいいレベルまで回復していると考える一つの要因になります。
しかし何といっても、それは直接診察していただいている主治医と相談されるのが最善です。
現在は比較的健常者のように穏やかに暮らしています。
このことも、重大に決断をしていいレベルまで回復していると考える要因になります。ただし、「健常者のように穏やかに」というのはあくまで質問者の主観にすぎず、客観的には決して穏やかでないということはしばしばあります。しかし、
2年前に潰れる心配がほぼない企業に新卒で就職し、都内で一人暮らし中です。
就職し、一人暮らしされているということは、公的にも私的にも十分に安定しているという強い根拠になります。
したがって総合的にみて、この【4199】の質問者は重大に決断をしていいレベルまで回復していると考えていいでしょう。もちろん主治医の先生との相談は欠かせません。ここに加えて主治医の先生からのOKがあれば、大きな決断をしていい時期にきていると判断して差し支えありません。
(2021.1.5.)