【4191】あまりに疲れやすい高 3 の娘

Q: 60代の男性です。あまりに疲れやすい高3の娘のことが心配でなりません。

高校3年生の娘ですが、中3のころから人の目を避けるような傾向が少し見られたり、肩こりを訴えたりする傾向が見られました。高校に進学してから、学校から帰ると「疲れた。」と言って何も手につかず、ただ、ひたすらスマホを見て過ごすしかないという状態が見られるようになりました。その状態状態になると、回復するのに3日も4日も学校を休まないとだめということもたびたびでした。
そこで、高2の3月に心療内科を受診し、エビリファイを処方してもらうことになりました。月1回程度の通院が始まり、さらに12月に入ると同じ病院のの精神科の医師に受診することを勧められ受診することになりました。そして、薬はレキサルティ1mgに変わりました。現在も継続して外来通院していますが、何日か登校して、疲れがたまると帰宅後はもう全く何も手が付けられず、スマホを見て過ごし、翌日は学校を休むというパターンがほとんど改善されていません。学校の出席日数もぎりぎりのところにいます。病名はついていませんが、レキサルティという薬が統合失調症の薬であることも考えると、親として娘が残りの高校生活を乗り切れるのかという心配と大学に進学が決まった今、大学生活をやっていけるのかという二つの心配が重くのしかかってきます。主治医の精神科の先生からはとにかく薬を飲むことを勧められますが、薬の服用効果がはっきり見られない状態です。今後も成り行きに任せるしかないのでしょうか?こういう場合も親として、本人として何か打つべき手というものがないのでしょうか?

 

林: このメールは、ご本人(娘さん)の言葉についての記載がほぼゼロである点に違和感があります。中3から変調が見られているようですので、すでに3年ほどは続いているということになりますが、父親である質問者は彼女のつらさを「疲れた」以外にお聞きになっていないのでしょうか。処方されている薬からはご指摘の通り統合失調症が疑われますが、本人が「疲れた」と訴えるだけで医師が統合失調症と診断するはずはありませんし、抗精神病薬を処方するというのも考えにくいことです。ですからご本人は、今のご自分の状態について、言葉で何らかの説明をされているはずです。このメールではあえてそれには触れず、客観的に観察できる事実だけを記載されたという可能性も考えられないことはありませんが、おそらくそうではないでしょう。質問者とご本人の間に、ご本人との間に限らず質問者自身に、コミュニケーションの問題があるというのが最も合理的な解釈だと思います。ご本人から、そして主治医から、よくお話を聞くことから始めることをお勧めします。

(2020.12.5.)

05. 12月 2020 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: |