【4627】隣人が猫を殺したと言って激怒している兄
Q: 小学校の校長を定年退職して20年になる兄(82歳)のことでご相談します。
退職後は、夫婦.犬猫で幸せに暮らしていましたが、ある日、可愛がっていた猫がいなくなり、ネコの写真入のチラシを作り、近隣の方に配り見かけたら知らせてくれるようにお願いして歩いたとの事。
その時、隣の垣根にネコが入らない様に栗のイガが敷き詰めてあり、近所の方はネコの排便排尿に悩んでいると言われたそうで、その言葉から被害妄想が始まった様に思います。
向かいの人が我が家の愛猫を捕まえ、排尿で怒っている隣りの方に渡した。
隣りの人はイガ栗を入れたダンボールに猫を1週間以上閉じ込め、もう死んだかな…と箱を開けた隙に弱っていた猫が飛び出し、必死になって家へ逃げ帰った。
その証拠に猫に付いていたイガ栗が我が家まで点々と落ちていた。
その日は留守をしていたが門が少し空いていて不信に思ったが、推理してみると庭に逃げ込んで衰弱している猫を隣人は門を開けて中に入り、家に連れ帰って殺したと怒っているのです。
証拠は家まで落ちていたイガグリと締めてあった門が少し開いていた。
そして隣人は猫を嫌っているの3点です。
兄はその事を手紙に書き、謝罪してほしいと二軒に二度も郵送しました。
受け取った隣人は、ビックリして、嫁いでいる姪に連絡。
兄は姪の言うことなど聞かず、ますます思い込みが深くなるばかり…
姉と私が出かけて兄の話を聞きましたが、殺されたと信じ込んでいて聞く耳を持ちません。
姪.姉と3人で近隣二軒へ手紙を出した事の謝罪にいきましたが、これ以上酷くなる様だったら人権蹂躙で訴えると言われます。
また、兄は、猫殺しなのに何故謝りに行く!とカンカンに怒っています。
まだまだしっかりして、とてもボケたとは思われませんが、猫殺しが謝りに来るまでは手紙を何度でも出し続けると言い、どう対処して良いのか困り果てています。
これはやはり精神的な病気なのでしょうか?
ご指導よろしくお願い致します。
林: お兄様の今の状態は妄想性障害といっていいでしょう。ペットが虐待された・殺された、というのは、妄想性障害の妄想として、とても多いとは言えないものの、稀ではありません。統合失調症の症状としてもこうした妄想はあります。自分の親がペットを虐待しているという妄想によって、親を殺害したケースも私は知っています。
それはそうとこの【4627】のケース、また、82歳という年齢での妄想性障害の発症は、認知症の初期症状の可能性もあります。いずれにせよ精神科の受診を要する状態です。
(2023.2.5.)