【4111】18 歳にもなって頭の中に友達が出来たのはおかしいですか

Q: 私は18歳の女です。件名の通り、18歳になって受験勉強も本格的にし始めている時に頭の中に友達ができました。アンパンマンみたいなキャラクターと、アイドルグループに出てくる人に似てる人がずっと居ます。
母方の方の親戚に精神病の患者やそれらしき人が多く、(祖母が統合失調症、母方の親戚の人がうつ病で亡くなった、母はうつ病と診断され今は良くなっているが、よく本人曰く「幽体離脱」をすると言う。)
私も最近そうやって頭の中に友達が出来てしまったのでなんだか不安で相談させていただきました。
こちらのサイトでIFの存在を知り、もしかしたら、と思ったのですが、私の場合実在するキャラクターや人にとても似ていて、そういう人を見て私が勝手に作りだしたものであって、また違うものなのかな?と思ったりしてイマイチよく分からないままでいます。
頭の中にいる友達は、話し相手になってくれたり、妄想に付き合ってくれたりします。(もともと妄想の世界に飛びがちで、夢と現実がよく混同するぐらいに、頻繁に妄想してしまいます。)

家庭環境がちょっとだけ複雑で、辛いなと思った時には励ましてくれたりと、かなり友好的な関係なんですが、ほかの質問への回答を見ていると、大人になっても見えているのはグレーゾーン、 とのことで、私の場合はどうなのだろう……と思っています。
また、先程も書きましたが、妄想の世界に飛びがちなのも最近ちょっとおかしいかなと思うようになりました。
今この世界が夢なのか現実なのか分からなくなり、自分が自分でない、別の次元にいる本当の自分が、夢を見てるんだ、という第三者的な目線で今ある世界を見てしまいます。今この文章を打っているのも、確かに私なんですが、それを俯瞰している (というより、遠くで別の私が操っている?)感じです。
ここのところ精神的に疲れることも多かったのでそのせいかな、とか思いますが、IFが現れて1ヶ月経ち、新たになんだか自分の存在が複数ある気がするなどよくわからない感覚に悩んでいるので、質問させていただきました。

 

林: 「頭の中の友達」は、字義通りにとればイマジナリーフレンド(IF)(イマジナリーコンパニオン IC ともいいます)ですが(【3037】頭の中に友達がいます 、などがその例です)、この【4111】のケースでは、18歳になって特にきっかけなく(かどうかは不明ですが、きっかけが書かれていない以上、きっかけはなかったと仮定します)現れたとすると、IFとしては典型的ではありません。そして精神病の家族歴があること、「もともと妄想の世界に飛びがち」(その妄想の具体的内容が本来は回答のためには重要な情報です)という傾向があることを合わせると、この【4111】のケースの「頭の中の友達」は、統合失調症自我障害のひとつの現れという見方も可能です。そして

今この文章を打っているのも、確かに私なんですが、それを俯瞰している (というより、遠くで別の私が操っている?)感じです。

これも、幽体離脱というより、自我障害の色彩がある体験です。

新たになんだか自分の存在が複数ある気がする

これは、この部分だけを取り出してみると解離の症状とみることも可能ですが、他の症状とあわせると、これもまた統合失調症の自我障害の現れの可能性が高まります。

なんだか不安で相談させていただきました。

統合失調症の前駆期の疑いがあります。精神科を受診し、最近の症状について具体的に詳しく医師に伝え、適切な診断と治療を受けてください。

(2020.9.5.)

05. 9月 2020 by Hayashi
カテゴリー: 精神科Q&A, 統合失調症, 解離性障害 タグ: , , |