【3893】イライラして興奮する事が多い知的障害の息子の投薬について
Q: 18歳、軽度の知的障害のある息子についてお聞きしたいです。私は40代の母親です。
外見では知的障害とは分からず会話も普通にできます。
しかし、自分の思いが通らない(行きたい所へ行けない、予定が変更になる)等の時に、興奮し物を投げたりします。それが毎日の連続です。
一度、警察のお世話になり、措置入院もしました。
現在、アリピプラゾール9ミリ、バルプロ酸Na徐放B100ミリを朝と夕に飲んでます。
2年程同じ薬を飲んでいます。
主治医に、イライラして興奮する事が多いと相談したところ、薬の増量をすすめられました。
本人は眠くなることを理由に、これ以上薬が増える事を嫌います。
他に、何か適した薬があるのかどうか、それとも今の薬が無難であるのか、お聞きしたいです。
林: 知的障害に伴うイライラなどの精神症状に対し、薬物療法が必要かどうかは、その精神症状の結果としてどの程度の現実的な問題が発生しているかによります。その観点から見たとき、毎日のように問題があり、警察を介して措置入院歴まであるということであれば、今後社会で生活していくためには薬物療法が必要であると判断できます。
ただし、毎日のように問題が発生しているのがいつからなのかが不明で、措置入院になった時期も不明ですので、それらとの関係で2年程同じ薬というのが適切な処方であるか否かは判断不能ですし、現在の処方は薬物療法開始の時から同じなのか、それとも以前は別の処方があったかどうかも不明ですので、
他に、何か適した薬があるのかどうか、それとも今の薬が無難であるのか
この問いについては回答不能です。
今後の方針については、
本人は眠くなることを理由に、これ以上薬が増える事を嫌います。
ご本人のこのような希望は尊重すべきですが、仮に増薬によって眠気が増すとしても、そのような副作用と、薬による効果のバランスを考慮して方針を決めることが必須ですし、また、そもそも増薬によって眠気が増すかどうかはわからないことですから、希望は尊重するとしても、希望があれば何でもそれに従うのは不合理ですし、ご本人のためにもなりません。
(2019.10.5.)