【3704】元同級生の語る不幸な出来事の数々は虚言癖によるものでしょうか

Q: 私は30代女性です。 昨年から再び交流するようになった元同級生の女性についてです。
遠方に住んでいる彼女とは電話かLINE、SNSを通じて交流しています。
昔通りのさばさばした性格の彼女と、はじめは仲良くしていたのですが、徐々に発言がおかしいと思うようになりました。
1. 幼少期は身寄りがなく山奥で親戚の家を転々としておりいじめられていた
2. 姉が乱交するほどのふしだらで、姉の彼氏は韓国人。浮気した姉に怒り責任を取ってお前が俺と結婚しろと迫って来て殺されそうになった
3. 優しいご主人自慢から一転、DVされている、モラハラされている、浮気されている、浮気相手と裁判で係争中、浮気相手の上司と会社の弁護士が謝罪に来た
4. 子供が3人、長男は自閉症、長女は難病で手術待ちしており学校でいじめられ不眠症、次男は幼稚園のバス事故でPTSD

上記を手始めに様々に不幸なことが起こると訴えます。週1頻度で何かしらの事件が起こり、先日は子供と外出中クマに遭遇し、子供を逃して熊を倒したと言い出しました。
彼女の話は明らかに虚言ではないかと疑っています。
また、メンタルは弱くたびたび慰めろというニュアンスで不安を語ってきます。
SNSでは自分をブロックした女のSNSを監視してほしいとの依頼が何度もありました。
いい加減に辟易したため彼女が落ち込んでいても慰めずに流す、依頼は断るの対応を続けていると、当方への態度がそっけなくなりました。
しかし1週間も経つと昼夜問わず電話がかかってきて、心底うんざりしています。
彼女は何かしらの精神の病を患っているのではないでしょうか?
どのように対応すべきでしょうか?

 

林:
彼女の話は明らかに虚言ではないかと疑っています。

その通りだと思います。この内容がすべて事実であるとは到底考えられません。
また、病的な虚言をする人にかなり共通した特徴として、この【3704】のケースの質問文の1.から4.のように、自分の家族や身内についてセンセーショナルなエピソード(それは、悲惨な境遇や病気のこともあれば、逆に輝かしい業績のこともあります)を語ることが多いものです。おそらくそれは、家族や身内のことについては他人には事実が確認できず、また、嘘ではないかと疑うこと自体が失礼にあたるため確認や質問を控えることも手伝って、虚言が(少なくともうわべでは)信じられてしまうことが理由であろうと思われます。

彼女は何かしらの精神の病を患っているのではないでしょうか?

病的な虚言は、「病的な虚言」とだけしか言いようのないケースもあれば、パーソナリティ障害(美少女L、その他、の虚言もご参照ください)の症状であることもあります。

この【3704】のケースにパーソナリティ障害の診断がつくかどうかはこのメールの情報だけからは不明ですが、

メンタルは弱くたびたび慰めろというニュアンスで不安を語ってきます。
SNSでは自分をブロックした女のSNSを監視してほしいとの依頼が何度もありました。
いい加減に辟易したため彼女が落ち込んでいても慰めずに流す、依頼は断るの対応を続けていると、当方への態度がそっけなくなりました。
しかし1週間も経つと昼夜問わず電話がかかってきて、心底うんざりしています。

という言動からみて、根底には未熟・依存といった傾向があることが推定できます。すると美少女L、その他、の虚言にも解説したB群パーソナリティ障害の範疇に入るかもしれません。

どのように対応すべきでしょうか?

それはご自分でお決めください。

しかし1週間も経つと昼夜問わず電話がかかってきて、心底うんざりしています。

であれば、関係を断つことを考えるのが自然でしょう。ただし関係を断つにあたっては、この女性からの暴言等の攻撃を受けることをあらかじめ推定しておくことが必要です。

(2018.8.5.)

05. 8月 2018 by Hayashi
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