【3652】話が噛み合わない同僚
Q: 私は40代女性です。職場の同僚について質問させて下さい。
彼女は三十代後半、勤務先にパートとして入ってきました。
初対面の時から、年相応でないやけに若い格好にチグハグな印象を受けたのですが、働き始めると、下記のようなことでうまく仕事が回らず困っています。
1.話が噛み合わない
こちらの指示を思わぬ受け取り方をします。注意をしているのに、「そういうのって困っちゃいますよね」と、他人事のように言ったりします。職場なのでやんわりとした言い方をしているせいもあるのですが、全く意図を汲み取ってくれません。
2.応用ができない
接客の機会が多いので、お相手に合わせた対応が必要とされるのですが、言われたことしか出来ないようで、安心して現場を任せることができません。
自分がうまく対応出来ないのを相手のせいにしてしまうので、成長が見込めません。
3.嘘をつく
勤務時にサボったりなどして見つかると、子どものような嘘をつきます(親が倒れて、付き合っていた男性がしつこく連絡してきて等) 。
ついた嘘を忘れてしまうのか、問われると後日「私じゃない別の人格がやった」等と言います。
この「別の人格」という話は度々出てきているのですが、失敗した時や責められた時など都合が悪い時しか出てこないので、信じていません。
彼女はなにか精神的な病気を持っているのでしょうか?
それとも、単に幼稚でわがままなだけなのでしょうか。どう接していいのか困っています。
林: どちらも考えられます。つまり、「なにか精神的な病気を持っている」かしれませんし、「単に幼稚でわがままなだけ」かもしれません。この【3652】に書かれている情報だけからはどちらとも判断できません。
そして、「なにか精神的な病気を持っている」ことと、「単に幼稚でわがままなだけ」の境界は、はっきりしていることのほうが多いですが(つまり、ある人について、その人がどちらにあたるかははっきりと言えることのほうが多い)、実はとても曖昧な場合もあります。この【3652】を例に取れば、「年相応でないやけに若い格好にチグハグな印象」「話が噛み合わない」「応用ができない」「嘘をつく」などの組み合わせは、【3652】に見られる具体的な内容から見て、たとえば知的障害やパーソナリティ障害などが考えられますが、知的障害は幼稚な言動が見られることが多く、パーソナリティ障害の中で自己愛性パーソナリティ障害など(より包括的なB群パーソナリティ障害という用語もあります。美少女L、その他、の虚言をご参照ください)はわがままと解釈できる言動が多く、それらを病気の症状とみるか、それともそうしたこと(幼稚やわがまま、すくなとくもそのように見える言動)は病気とはみなさないかは、時代によっても人によっても違います。
(たとえば【3656】彼氏が過呼吸を起こし、口調が幼くなり、その間の記憶をなくす、【3653】暴力をしてくるのに特に異常なしと診断されましたは、どちらもパーソナリティ障害ですが、どちらについてもただ幼稚でわがままなだけ、とみる方もいらっしゃるでしょう)
もっとも、明確な病気のために外見上は「幼稚やわがまま」に見えることがあります。たとえば統合失調症の陰性症状としての人格変化は、時に幼稚、わがままに見えるものです。
以上のような事情から、
彼女はなにか精神的な病気を持っているのでしょうか?
それとも、単に幼稚でわがままなだけなのでしょうか。
わかりません。どちらも考えられます。どちらであるかの判断、あるいはどちらの可能性が高いかというレベルの判断のためには、もっと情報が必要です。
(2018.4.5.)