【3488】しゃべる黒猫について
Q: 23歳 女です。
18歳ころから、しゃべる黒猫がたまに出てきます。
そういう猫はいなくて、幻覚なのはわかっていますが、
そのしゃべる黒猫がいきなりダッシュするせいでビックリして自転車から落ちたり
田んぼに突っ込んだりしてて、少しだけ困ることがあります。
しゃべる黒猫は出てきたらものすごくしゃべります。その黒猫は大きさが一定じゃなく急にでかくなる時もあり、チーターくらいになりはしゃぎながら寝室にすごい勢いで走っていって、途端に消えたこともありました。
幽霊なのか、幻覚なのか理解が出来ませんが、いきなり出てきて驚く以外は特に害はなく、話しかけたら返ってくるので、普通に会話をしたりします。
それとは別に、私の頭の中は男の子の友達?が別にいて
試験などは、いつも協力して解いています。
あなたならどう思う?ということを相談したり
事故した時に、落ち着くように現れることもあります。
なので、彼がいないととても困ります。
こちらも、守護霊なのか幻覚なのかわかりません。
もし、彼と猫と喋っているところを、他の人に見られたら、私は独り言を言っているように見えるでしょう。
母親にそういうものが見えると言ったこともありますが、予想通り本気にはしてくれませんでした。
彼と猫は何なのでしょうか。
これらは見えても大丈夫なのでしょうか。
林: これは「想像上の友人 imaginary companion: ICと略します」ないしはその近縁のものでしょう。
私の頭の中は男の子の友達?が別にいて
これはまさにICにあたるものです。
ICについて私は最近医療プレミアに子どもにだけ見える「見えない友達」という題で解説しました。その記事に記したように、ICは子どもの健康な成長の過程で時おり見られるもので、ICが見られることだけで病的とは言えません。
この【3488】の質問者にIC(頭の中の男の子の友達)が現れた年齢がメールには記載されていませんので不明ですが、少なくとも18歳よりは前であると推定でき(文脈上、「しゃべる黒猫」よりは前と思われることからの推定です)、さらに遡って幼少時だとすれば、ICの出現自体は病的とは言えません。但し、何歳から始まったにせよ、それが23歳の現在に至るまで続いていると、グレーゾーンということになるでしょう(医療プレミアの2番目のケースは10歳から22歳まで存在し続けている例として紹介してあります)。
18歳ころから、しゃべる黒猫がたまに出てきます。
こちらについては、現れた年齢が18歳とかなり年長であること、人ではなく猫であること、そして動きなどは、ICとして典型的ではありませんが、ICに近縁のもの(またはICの一種)とみていいと思います。
したがってご質問への答えは次の通りです。
彼と猫は何なのでしょうか。
IC (Imaginary Companion; 想像上の友人)の一種、またはICに近縁のものです。
これらは見えても大丈夫なのでしょうか。
それについては何とも言えません。少なくとも統合失調症の幻覚や妄想とは一線を画しており、統合失調症の前駆症状という可能性は低いでしょう。
他方、23歳という年齢でICが存在すること、そしてそのうちの一つはICとしてやや特異なものであることは、健全な体験の範疇であるとすることは躊躇されるところです。
(2017.8.5.)