【3494】音楽的恍惚感や宇宙とつながったような感覚
Q: 30代女性です。
いつも興味深く拝見させていただいております。
【3417】神秘体験の後、正常になったのですが、その後、地獄に落ちると感じ、自殺したくなりましたの方への回答に、
何らかの超自然的なことや、難解な哲学的なこと、宗教的なこと、あるいは実際はそれらでなくてもそれらに類することと本人が認識していること(このケースでは統合失調症の本質がそれにあたると言えるでしょう)を考え続けるうちに発症するのは、統合失調症などの精神病発症の一つのパターンです。
というのがありましたが、これはもともとの脳に素因がある方が、こういったテーマについて考え続けると発症するのか、誰でもこのテーマを考え続けると発症する可能性があるのか、もしくは発症の純粋な状況として、こういうケースが多いのか、どれでしょうか?
当方楽器を演奏しますが、音楽的恍惚感や宇宙とつながったような感覚は良く想像しますし、観念的に「音の哲学」について体験したりします。
これももしかして精神病的な事例なのかと思うと心配になったので、質問させていただきました。
因みに入眠時幻覚もよくあるし、呼吸が止まったりもします。
林:
これはもともとの脳に素因がある方が、こういったテーマについて考え続けると発症するのか、誰でもこのテーマを考え続けると発症する可能性があるのか、もしくは発症の純粋な状況として、こういうケースが多いのか、どれでしょうか?
質問者が引用されている回答中の記載通り、「統合失調症などの精神病発症の一つのパターンです」が事実です。
もしくは発症の純粋な状況として、こういうケースが多いのか
多い とまでは言えません。
誰でもこのテーマを考え続けると発症する可能性があるのか
それはわかりません。けれども、そうではないと思います。
もともとの脳に素因がある方が、こういったテーマについて考え続けると発症するのか
その可能性が高いでしょう。
但し、「こういったテーマについて考え続ける」こと自体が、すでに脳に素因があることに起因するのかもしれません。
したがって、
当方楽器を演奏しますが、音楽的恍惚感や宇宙とつながったような感覚は良く想像しますし、観念的に「音の哲学」について体験したりします。
これももしかして精神病的な事例なのかと思うと心配になったので、質問させていただきました。
これについての答は「わかりません」になります。つまり、質問者の体験が、精神病との関連を示唆するものかどうかは「わかりません」
おそらくこの質問の背景には、「もしこれが精神病に関連するもので、将来精神病の発症につながるものであれば、自分が今よくしている想像などはひかえることも検討したい」というお考えがあるのだと思います。
けれども残念ながら答は上記の通りで「わかりません」。また、この「音楽的恍惚感や宇宙とつながったような感覚」や「観念的に「音の哲学」について体験」するのをひかえることは、質問者の芸術活動に支障があると思われますので、「わからないが念のためひかえる」ことをお勧めするのも適切でないでしょう。
もっとも、
因みに入眠時幻覚もよくあるし、呼吸が止まったりもします。
これはやや気になるところです。一般的には入眠時幻覚は病的とは言えませんが、そうは言っても精神疾患を示唆する場合があります。この幻覚と「呼吸が止まったりもします」について、それらが病気との関連を示唆するものかどうかについては、内容についてより具体的な情報が必要です。
(2017.8.5.)